2020 Fiscal Year Research-status Report
ポスト・グローバル化時代から読み返す日本語移民文学研究
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20K21986
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
仁平 千香子 山口大学, 国際総合科学部, 助教 (20737093)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 日系移民 / 日系アメリカ人 / 引揚げ文学 / グローバリズム / ポスト・グローバリズム / 故郷 |
Outline of Annual Research Achievements |
一年目は主に資料集め、資料読解・分析を行った。19世紀後半以降にアメリカや東アジアに移住した日本人とその子孫の物語を中心に資料を読み込み、情報を整理した。日系アメリカ人に関してはジョン・オカダ、ジュリー・オオツカ、ソネ・モニカ、東アジア移民に関しては、小林勝、森崎和江、ビクトル古賀、安部公房、藤原てい、赤塚不二夫の作品及び関連資料に目を通した。背景研究としては、日本人の移民の歴史、自由主義・新自由主義理論、グローバリズム理論、ディアスポラ理論、故郷論、都市化に関する資料を読み、情報を整理した。
グローバル化を前提とする既存の移民文学の読みの偏りを明らかにし、ポストグローバル化に向けた新しい読みの可能性を探る、という研究の目標を達成させるべく、社会の理念構築に大きく影響を与えた経済活動の流れや、それが与えた個人の故郷や祖国、家族との関係への影響、また戦後教育の転換などに重きを置いて、研究の理論構築を探っている。
コロナウイルスの関係で、予定していた学会参加や資料収集のための出張は叶えられなかったが、所属機関で得られる資料の多くに目を通す時間を多く持てたことはよかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の解読や情報整理にはまだ多くの時間が必要であるが、本プロジェクトの一年目が半年しかなかったことを考えれば、その間にできるだけ多くの資料に目を通せたと思う。また、研究を進めるにつれて研究の方向性(理論の枠組み)もより明確に定まってきており、論文執筆を進められる方向にある。R2年度に予定していた学会発表は達成できていないが、R3年度に向けて準備は始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目に目を通した資料に加え、引き続き文献読解・整理は続けていく。研究発表に向けて執筆を開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で研究旅行と学会参加ができなかったため、計画通りの使用ができなかった。
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