2022 Fiscal Year Research-status Report
A Bilingual Education Project in Jamaica: The Decision Making Process
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20K21995
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
源 邦彦 玉川大学, 文学部, 講師 (10875587)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 二言語使用教育関連資料 / ジャマイカ語開発・普及関連資料 / 関係者のライフストーリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は言語学理論の批判的研究と第1回の現地調査を実施した。前者については、2022年12月18日(日)に一般社団法人グローバル・ビジネスコミュニケーション協会にて研究発表を行い、それと関連して2023年3月に玉川大学文学部紀要『論叢』にて論文を発表した。後者については、2023年1月30日(月)~2023年2月12日(日)にジャマイカ、キングストンにて調査を実施した。本調査については以下四つの項目、(1)ヒューバート・デボニッシュ博士の論文、著書で日本では入手不可能な資料の収集、(2)二言語使用教育、ジャマイカ語の開発・普及計画に関する資料の収集、(3)ヒューバート・デボニッシュ博士、現ジャマイカ語課コーディネーターのジョセフ・ファークハーソン博士とのインタビュー、(4)Children Firstへの挨拶訪問、について報告する。(1)については、西インド諸島大学モナ校図書館にて二週間の使用権を購入し、入手を予定していたほぼすべての資料を複写できた。図書館内の各専門部署の専門職員の方々のご協力もあり、短期間にもかかわらず滞りなく資料の収集ができた。(2)については、西インド諸島大学モナ校言語・言語学・哲学部ジャマイカ語課にて資料を複写、購入した。二言語使用教育に関する資料(実施計画、報告書、使用教科書)、ジャマイカ語の開発・普及計画に関する資料について、こちらも問題なく入手することができた。(3)については、デボニッシュ博士との面談を2回、ファークハーソン博士との面談を1回実施した。二言語使用教育やジャマイカ語の開発・普及計画について、上述の公開資料では得られない、また、その資料を補足する貴重な情報(個人のライフストーリーや社会思想など)を入手することができた。(4)に関しては、職員の方々への挨拶と今後の計画(2024年2月に実施予定のインタビュー)への協力を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されていた資料についてはほぼすべて入手することができた。ただし、一部の資料は関係機関に依頼したものの返答がないままで入手できなかったものもある。インタビューに関しては、準備されていた質問項目に対する回答はすべて得られたが、一部の質問について新たに聞きたい情報が出てきたことや、調査を進めかつ論文を執筆する中で新たな質問項目が発生した。全体としてほぼ予定通りに資料の収集やインタビューによるデータ収集は進んでいるが、次回のジャマイカ訪問が2024年2月に予定されているため、それまでにZOOMやメールを利用して関係者から聞き取り調査を何度か実施する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下四つのプランを実施する予定である。(1)二言語使用教育に関連するジャマイカ語の開発・普及計画についての学会発表と論文投稿、(2)デボニッシュ博士への補足インタビューの実施、(3)二言語使用教育に関連して現地学生と教育省関係者へのインタビューの実施、(4)学生の視点からみた二言語使用教育の必要性について学会発表と論文投稿、である。(1)については、2023年6月18日(日)に日本言語政策学会第25回研究大会にて口頭発表の予定である。その後、同学会誌あるいはアメリカの関連学術雑誌に投稿予定である。(2)については、2023年6月と8月にZOOMを使用して実施予定である。6月実施予定のインタビューは同月18日に予定されている学会発表に必要な補足データを収集、8月実施予定のインタビューは投稿予定の論文執筆に必要な補足データを収集する予定である。(3)については、2024年2月8日(木)~2月20日(火)のあいだに現地学生ならびに教育省関係者を対象に、公教育における英語使用の問題やジャマイカ語使用の必要性についてインタビューを実施する予定である。この期間中は、本科研プロジェクトでお世話になった方々への御礼の挨拶や新たな研究テーマに関する予備調査も可能な範囲で実施する予定でいる。(4)に関しては、同年6月の日本言語政策学会第26回研究大会にて口頭発表の予定である。その後、同学会誌あるいはアメリカの関連学術雑誌に投稿予定である。
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