2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Bilingual Education Project in Jamaica: The Decision Making Process
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20K21995
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
源 邦彦 神奈川大学, 外国語学部, 助教 (10875587)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | ネオコロニアリズム / コンクエスト・ダイグロシア / 言語計画の構成要素としての言語学 / 分析概念としての人種 / 労働者階級・アンダークラスのための言語計画 / 言語教育・教育言語政策 / 政策決定過程 / 言語態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度から開始した(1)ヒューバート・デボニッシュ博士による言語計画、(2)ジャマイカ教育省による教育言語・言語教育政策について調査を進めた。 (1)は、2023年2月のデボニッシュ博士へのインタビューに基づき、同年6月日本言語政策学会で研究発表を行った。その結果、追加情報が必要であると判断し、2023年8月と2024年2月の2回にわたり博士へのインタビューを実施した。本研究の成果としての論文は、現在は複数の研究者からのレビューコメントをもとに推敲を重ね、5月下旬には学術雑誌に投稿予定でいる。 (2)は、デボニッシュ博士とのインタビューを重ねるにつれ、教育言語・言語教育政策に関して教育省で新たな動きがあることが判明した。その結果、研究テーマを再調整し、2018年度から2022年度へと新たに開始、発展し、現在は最終段階にある教育省による教育言語・言語教育政策の決定過程を調査することにした。 2018年度新カリキュラムでは初等教育から中等教育まで英語とジャマイカ語をともに話す、書く能力の習得を目指す言語教育政策が始動した。このカリキュラムに関連し、英語を重視しつつもジャマイカ語(政府による名称は「ジャマイカクレオール語」)に敬意を払うことが謳われる言語政策案が公表された。当政策案は現在も審議中であり、デボニッシュ博士の紹介により、この政策案の決定過程に関与した教育省官僚3名に匿名インタビューを実施した。 その結果、1)今後の政策決定手順、2)各利害関係者・団体への聞き取り調査、3)今後の国会審議について情報が得られた。匿名ということもあり、限られた情報ではあるものの公開対象とはなっていない審議記録を得ることができた。今後は、データが最も充実している2)の聞き取り調査内容を中心とした学会発表を2024年10月に予定し、年度末に向け論文として発表したいと考えている。
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