2021 Fiscal Year Research-status Report
The Creation of the Preservation Basis of Japanese Digital Records by System Development and Examination
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20K22018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 陽 京都大学, 大学文書館, 特定助教 (10882615)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | アーカイブズ / 電子記録 / 検索システム / 長期保存 / 真正性 / Access to Memory |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年7月31日に立教大学共生社会研究センターと共催し、オンラインセミナー「大学におけるデジタル・レコードキーピング:シドニー大学の挑戦」を開催した。シドニー大学のレコードマネージャーとアーキビストに講演していただき、作成段階から電子記録を記録管理システムが捕捉し、長期保存を実現するための手法について学んだ。具体的には、シドニー大学では、業務システムによって、教職員の実務負担を軽減するとともに、業務システムで作成される文書とそれに関わるメタデータを自動的に記録管理システムに取り込み、証拠能力のある文書すなわち記録として保管していくという体系が整備されていることがわかった。さらに、今後そのシステムにある記録がアーカイブズへ移管される期日が近づいていることから、電子記録に精通したアーキビストが、レコードマネージャーと協議しながら、移管される記録の永年保存を実行するシステムの構築が予定されている。その準備過程についてアーキビストから報告された。 また、2021年11月20日に立教大学共生社会研究センター主催のオンライン・ミートアップ「古いデータを新しいシステムに: アーカイブズの編成・記述・メタデータ」で、国際標準に準拠したアーカイブズ記述によって資料群全体の真正性を示しながら、検索を可能にするシステムの構築について報告を行なった。この報告では、国際記述標準のISAD(G)とISAAR(CPF)の組み合わせによって、組織変遷に対応可能な検索システムが実現できることを、京都大学大学文書館所蔵資料を事例に挙げながら明らかにした。さらに、本報告をもとに、「変化する組織が生み出す記録資料群の編成と記述:京大・シリーズ・システムの試行」、『京都大学大学文書館研究紀要』第20号、2022年3月、15-29頁を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス流行により本年度も予定していた国内海外調査を十分に遂行できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は海外の学会参加を含め、国内外の調査を進め、その成果を取り入れる形で総括を行いたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行により予定していた海外調査が遂行できなかったため。
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