2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K22032
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
古澤 義久 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40880711)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 遼東系土器 / 楽浪系土器 / 弥生時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
糸島市立志摩町歴史資料館にて楽浪土器の検討を行った。従来楽浪土器とされていた土器には、三国時代の陶質土器が含まれていることがわかった。楽浪土器の縄目タタキは原体がS撚であることが確認された。また、東京大学考古学研究室にて楽浪土器の分析を行った。楽浪土城址出土土器に施さわれ縄目について短頸壺の場合にはやはり原体S撚が主であったが、一方では少数ではあるが原体Z撚のものも確認された。原体の太さをみると原体Z撚のものは細く、S撚のものは太いので、S撚は合撚縄であるものと思われる。このほか東京大学文学部列品室で偶然ではあるが、昭和27年に壱岐・原の辻遺跡で採集された資料が保管されていることに気が付いたが、これらの資料の中に楽浪土器が含まれていた。縄目タタキの底部附近の破片である。この資料は学史上、原の辻遺跡で最初期に発見された楽浪土器であるともいえ貴重な資料である。2022年度に資料報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延により韓国や中国といった海外での調査が実施できないため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外渡航の見通しが立たないため、壱岐・対馬を中心とする地域での調査を重点的に行うこととする。また、玄界灘沿岸部の資料、特に宗像市の遼東系土器の可能性がある資料の調査を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延のため海外旅費の執行が困難になったため。次年度は国内資料の調査の充実を図るため画像処理ソフトを含めたパソコンの購入を予定している。
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Research Products
(3 results)