2023 Fiscal Year Research-status Report
トルコにおける都市難民の社会統合と流動性に関する研究
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20K22082
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 滋之 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 准教授 (60884608)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Keywords | トルコ / シリア難民 / 都市難民 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年6月、研究協力をいただいているトルコ・バフチェシェヒル大学・移民と都市研究センターにおいて日本の難民政策を紹介するウェビナーを開催し、トルコの都市難民の状況と比較討論する機会を得た。 2023年11月、武庫川女子大学とバフチェシェヒル大学との相互訪問プログラムで学生とともにトルコに2週間滞在した。この機会を利用し、大統領選挙後のトルコ都市部での難民状況をアップデートするとともに、特にトルコ都市部に滞在する難民に強い反感を持っているされる若者層に考えを聞く機会を得た。また、学生の引率でカッパドキアを訪れる機会があったため、トルコの地方部に滞在するシリア人難民の状況に関して、現地の人々に話を聞く機会を得た。 都市難民の一般的状況と最新の研究動向に関して文献調査を継続している。またトルコでの経済状況の悪化は、一時期鎮静化していたシリア人の欧州方面への移動を再び活発化させるのか、文献調査を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年2月に起こったトルコ南西部での大震災、そしてその後行われた大統領選挙の影響によって、調査の行いにくい状況が生じた。エルドアン大統領の再選によって難民政策に大きな変化は生じなかったが、経済危機は続いており、これによりシリア人難民の滞在を含めた状況は流動的であったため、研究が進めにくい状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画においてはトルコに滞在するシリア人難民への聞き取りを行う予定であったが、都市部での反難民感情の高まりによってシリア人が外部調査者との接触を避ける傾向が高まった。また、これまでシリア難民に直接聞き取りを行った二次資料の蓄積状況を考えると、あえてシリア人難民への聞き取りの必要は薄れている。半面、シリア人難民を雇用するトルコの商工関係者への聞き取りに関してはまだ研究の蓄積が低い。2023年度はイスタンブールへの訪問を通じて、商工会議関係者につながることができたため、改めて商工会議関係者への取材を通じて研究を進められるよう、研究デザインを再考している。
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Causes of Carryover |
2023年度に実施する予定だった本調査を2024年度に延期したため。交付額残高を2024年度に実施する本調査の費用に充てる予定。
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