2021 Fiscal Year Research-status Report
How Pandemic Affects Investors' Preferences toward Firm's CSR?
Project/Area Number |
20K22104
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
村嶋 美穂 立教大学, 経営学部, 助教 (50880879)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 企業の社会的責任 / CSR / 新型コロナ感染症流行 / 実証研究 / 企業価値 / 投資家行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、感染症流行が、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility:以下、CSR)活動に対する投資家の投資行動及び企業評価に与える影響を実証分析により明かにすることである。具体的には、1)コロナ(COVID-19)ウィルス流行の前後で、企業のCSR活動が公表された際の追加的な株価上昇率を定量分析することで投資行動を観察し、2)個人投資家に対するアンケート調査を通じて企業評価の具体的な変化内容を明らかにする。 全体の研究計画は、大きく「投資行動分析の定量分析」と「企業評価分析(アンケート調査)」に分けられ、2021年度はそれぞれ①株価・財務データと企業のCSR活動に関する定量分析及び②アンケート調査の実施であった。実績は、①に関しては、企業の財務状態及びESGリスクデータを所属大学のデータベース(CapitalIQ、Bloomberg、eol)から入手し、そのデータを用いて「差分の差分法」による回帰分析を行った。結果として、ESGリスクと企業の財務状態に負の相関関係があることを明らかにした。また、②に関しては、米国のオンライン調査サービスであるSurvey Monkeyを通じて日米独の個人投資家に対するアンケート調査を実施し、その結果を使用して回帰分析した。その結果、コロナウィルス流行後、個人投資家の社会的責任、特に環境に対する意識が向上したことを明らかにした。上記の研究成果2件につき、論文を執筆の上、国際学会発表及び欧米の学術誌へ投稿した。2022年度には、他の国際学会でも本研究成果につき発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の研究計画は、①株価・財務データと企業のCSR活動に関する定量分析及び②アンケート調査の実施であった。実績は、①に関しては、企業の財務状態及びESGリスクデータを用いて「差分の差分法」による回帰分析を行った。また、②に関しては、日米独の個人投資家に対するアンケート調査結果を使用した回帰分析を行った。上記の研究成果2件につき、論文を執筆の上、国際学会発表及び欧米学術誌へ投稿した。2022年度には、他の国際学会でも本研究成果につき発表予定である。よって、本研究はおおむね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までの研究成果を広く発信するため、現在、欧米学術誌に投稿中の以下の論文が掲載に至るよう、審査者からのコメントを的確に反映する。 ① Murashima (Under review), “Factors affecting socially responsible investment for retail investors during and after the COVID-19 pandemic: A comparative analysis of the US, Germany, and Japan”, Journal of Business Ethics ② Murashima (Under review), “Impact of COVID-19 on the relationship between ESG risk and corporate resilience, stock returns, and firm performance: Evidence from Japanese firms”, Journal of Management Control ③ Murashima (Under review), “Does CSR affect investor decision-making in the automobile industry? Empirical evidence from Japan”, International Review of Financial Analysis④ Murashima (Under review), “Social responsibility communication and investor responses: An empirical study of investor behavior in Japan.”, Asia-Pacific Financial Markets⑤ Murashima (Under review), “Do tragic events make investors more pro-social? : Evidence from Japan.”, International Journal of Business Governance and Ethics
また、以下のような学会の発表を通じて、国内外の多くの研究者からのフィードバックを得る。①経営行動研究学会第120回研究部会②The 30th Annual Conference on Pacific Basin Finance, Economics, Accounting, and Management
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Causes of Carryover |
本プロジェクトの成果を広く発信することを目的とし、学術誌に投稿済論文の修正及び国際学会へ参加・発表する予定であるから。具体的な使用内訳(予定)は以下の通り。
学会参加費:3万円 物品費(PC、USBメモリ等):12万円
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Research Products
(4 results)