2021 Fiscal Year Research-status Report
カラーバリエーションが豊富な製品における配列順序の違いが消費者の態度に与える影響
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20K22106
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河股 久司 早稲田大学, 商学学術院, 講師(任期付) (30879804)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | カラーバリエーション / 豊富な選択肢 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は色相に関連する既存研究の成果を整理し、特に近年の潮流を把握することに努めた。近年では、消費者行動研究領域においても赤や青などの色相の効果だけではなく、明度や彩度そして、本研究が注目する配色に関連する研究も精力的に行われていることを確認した。上記の内容については、近年の潮流を把握するという目的でレビュー論文を執筆し、掲載に至っている。 さらに、本研究の課題の主目的である、豊富な選択肢の中から製品を選択する消費者の行動について整理を行う過程で、知覚多様性という概念が近年注目されていることが確認できた。豊富な選択肢下に置かれた消費者が知覚する多様性の程度である知覚多様性は、豊富な選択肢の中から消費者が製品を選択する際に、ポジティブな影響を与える要因として重要な役割を果たすと考えられる。そこで、カラーバリエーションが豊富な選択肢における配色と知覚多様性との関係を捕捉することを試みた。複数の調査の過程で、配色に基づく陳列方法の違いによって知覚多様性に与える影響が変化することや、知覚多様性に与えるメカニズムが異なることが示唆されている。また、知覚多様性が変化することで、製品陳列全体に対する印象や評価が変化することも確認されている。より精緻な結果を得るために、現在、研究者間で意見交換を行っている。議論の中で、当初計画していた実験手法の問題点やよりよい実験手法に関する気づきを得たため、実験手法及び調査方法をより精緻化し、調査準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大下に伴い、実験室実験などを行うことができなかった。それに伴い、実証面での検討が詳細に行えなかった点が遅れている要因として挙げられる。 一方で、精緻にレビュー研究を行うことができたため、2022年度の研究の下地を作ることができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も新型コロナウイルス感染症の拡大状況に応じた対策が必要だと考えている。そのため、インターネット上の調査を複数回行うことで、頑健な結果の確保を行うことを見込む。また、感染対策を十分に行ったうえで、実験室実験も行うことを予定している。 また、先に挙げた「知覚多様性」についてもカラーバリエーションが豊富な選択肢と製品選択の間のメカニズムとして検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大下のため、実験室実験が実施できなかったこと、および海外学会への渡航費が使用されなかったことに起因する。 2022年度も、引き続き同様の条件下にあると考えられるが、可能な限り感染対策を講じたうえで、実験室実験等を行うことを見込んでいる。
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Research Products
(1 results)