2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K22111
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
中村 文亮 近畿大学, 経営学部, 講師 (50879731)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 経営学 / 経営戦略 / M&A / 組織再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、企業の組織再構築(reconfiguration)の経験と買収成果の関係を明らかにすることである。前年度では、日本における上場企業間の買収事例、買収企業の組織再構築の取り組みおよび財務情報を統合した独自データベースを作成し、理論的背景である再構築観点と組織学習論の最近の動向を整理した。最終年度である本年は、1)買収データベースを用いた分析と論文執筆、および2)買収データベースと理論整理をもとにした発展的研究に取り組んだ。 第1に、企業の買収前の組織再構築経験(事業部門の新設、分割、結合、再配置、廃止および売却)と買収成果の関係を検討した。再構築経験は、買収後の企業間における資源の移転や活用を促進し、買収成果を拡大することが考えられる。分析結果、再構築経験は買収成果を高める効果があった。さらに、この関係は買収前の企業業績やターゲット企業の業種特性によって依存する関係にあることがわかった。以上の結果より、企業の買収を管理する能力は、先行研究で報告されてきた買収や提携などの積極的な対外的な取引経験のみならず、自社内で実施される組織変革を通じて得ることが可能であることが示唆された。この結果は、2022年度組織学会研究発表大会で報告予定である(演題は採択済み)。 第2に、データベースと今まで整理した理論から、発展的研究に取り組んだ。買収後の再構築と被買収企業の従業員の革新的行動への影響を検討した結果、負の関係性があることが示唆された。この結果は査読誌である経営哲学で発表予定である(採択済み)。
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Research Products
(4 results)