2020 Fiscal Year Research-status Report
Index development from the perspective of product concept for improving emotional value and evaluation of impact on purchasing behavior
Project/Area Number |
20K22115
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
加藤 拓巳 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 講師 (90882225)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | ブランドマネジメント / ブランドコンセプト / 商品開発 / 感性的価値 / デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
客観的に測定可能な機能的価値から,消費者が主観的に感じる感性的価値に競争力の源泉が遷移している.当然ながら,多くの企業でその認識が広がり,デザインや顧客経験(user experience, UX)を重視する企業が増加している.しかし現時点では,その成果は十分と言える状況ではない.原因の1つとして,コンセプトが曖昧なまま,デザインやUXの向上に取り組んでいるため,一貫性が生まれないことと推察している.ブランドマネジメントの既存研究では,ブランドイメージ等に比べ,コンセプトの議論は少ない.そこで,本研究の目的は,直接的に消費者が触れるデザインやUXへの満足度よりも,コンセプト想起率の方がブランドロイヤルティに貢献するという仮説を検証することである.当該指標は独自で考案したものである.ブランドイメージや購入理由を問われた際に,直接的に触れる商品特性やイメージよりも,コンセプトを想起する消費者の方が高いロイヤルティを有すると想定している.そして,2020年度は,提案指標の測定方法の検討を進めた.ブランドマネジメントやブランドコンセプトに関する既存研究のレビューに基づいて,聴取方法を複数検討した.さらに,ロイヤルティに対する貢献度の実証を通じて,その妥当性を検証した.中間的な結果を取りまとめ,学術国際会議で成果を報告した.そこで得たフィードバックをもとに,当該研究の課題を抽出し,さらに精度の高い仮説検証を2021年度に実施する計画を策定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
指標の測定方法の検討だけでなく,その仮説検証を部分的に遂行し,成果を国際的に公表していることから,おおむね順調に推移していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,前年度の学術国際会議における成果発表時に得たフィードバックを踏まえ,より精度の高い仮説検証を通じて提案指標の測定方法を確立し,その成果を学術論文誌に公表する計画である.なお,新型コロナウイルスの世界的な拡大によって,学術国際会議はオンライン開催に変更されているものの,研究自体の遂行に大きな支障はない.
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