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2020 Fiscal Year Research-status Report

少子高齢化のもとでの経済活動にともなうリスクと資金市場に関するマクロ経済分析

Research Project

Project/Area Number 20K22120
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

須永 美穂  大阪大学, 国際公共政策研究科, 助教 (30880413)

Project Period (FY) 2020-09-11 – 2022-03-31
Keywords少子高齢化 / 経済活動にともなうリスク / 資金市場 / マクロ経済
Outline of Annual Research Achievements

少子高齢化は、日本をはじめとして多くの国々が直面している人口動態の変化であり、こうした変化の中での経済活動には、様々なリスクが伴う。本研究の目的は、まず、そうした様々な経済活動にかかるリスクをともなう少子高齢化社会において、若年世代と老年世代でそれらのリスクへの反応が異なるときの、マクロ経済モデルを構築し、各世代の反応の違いを通して、経済全体の貯蓄、投資、そして、経済成長にどのような影響を及ぼすのかを解析することにある。そして、この解析結果を用いて、各世代が経済活動に対してどのように社会的に反応すれば、少子高齢化のもとでも、その経済が成長していくことができるのかを示すことも目的とする。
本年度は、構築した若年世代と老年世代で経済活動にともなうリスクへの反応が異なるときの、マクロ経済モデルを用いて、数値を用いた解析を行った。各世代のリスクへの反応の違いについて、具体的には、若年世代よりも老年世代のほうが、リスク回避的であることをモデル化した。このモデル化は、近年の老年学や経済学分野の実証研究に基づいている。このモデル化に基づいた解析から、少子高齢化社会において、老年世代が経済活動にかかるリスクを取らなければ、若年世代がその負担を負うかわりに貯蓄を減らし、経済成長のもととなる資本量が減少することが明らかになった。この結果は、少子高齢化において、強い経済を実現するためには、老年世代がリスクをとることが必要であることを示唆している。上記結果について、本年度は、論文にまとめて、国際学術誌に投稿を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、研究実績の概要で述べたように、構築した若年世代と老年世代で経済活動にともなうリスクへの反応が異なるときの、マクロ経済モデルを用いて、数値を用いた解析を行うことができ、論文にまとめて国際学術誌への投稿を行った。以上の理由から、おおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

現在構築しているモデルについて、次の改良を行う予定である。現在、少子高齢化社会の要因となる出生率の低下や長寿化を、モデルの外から(個人の意思決定を通さず)与えているが、今後は、モデルの中で(個人の意思決定を通して)決定されるモデルに改良する。実際の社会において、出生率の低下や長寿化は、個人の意思決定の影響を受けており、そうした個人の行動と、若年世代と老年世代の社会におけるリスクへの態度が無関係ではないであろう。よって、この改良は、より現実的な経済を分析するために必要である。改良したモデルから得られる解析結果とその示唆を論文としてまとめ、国際学術誌へ投稿することを今後(次年度の)研究の目標とする。

Causes of Carryover

予定以上に研究が進んだ場合の改良モデルの論文の英文校正費用として今年度中に使用するつもりであったが、予定通りにしか進まなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、今年度初旬に、モデルの改良を完了させ、論文としてまとめて、英文校正費用として使用する予定である。

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Published: 2021-12-27  

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