2020 Fiscal Year Research-status Report
世界の海上コンテナ輸送市場における予測モデルの構築
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20K22129
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
松田 琢磨 拓殖大学, 商学部, 教授 (40882535)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | コンテナ市況 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,近年におけるビッグデータの精度向上を前提に,計量経済学で用いられるようになったより新しい手法によって,実務者がコンパクトに使える,コンテナ輸送の荷動きや運賃を予測できるモデルを構築することをめざしています. 研究実施項目は以下の三つがあります.第一はコンテナ市況予測プロトタイプモデルの構築で,1) 経済状況,政策変数を考慮に入れた短期的な予測システムの構築と,2) の運賃と輸送量を同時に予測できるモデルの明示化を計画しています.1)では当初予定していた機械学習モデルではなく,別のモデルを用いる形で精緻化を進めるよう作業をすすめています.2020年度は第一項目について.2)に関連したコンテナ輸送に関する経済状況の影響の持続性に関する論文1本,1)に関連した機械学習モデルと時系列モデルの精度に関する論文1本を執筆し,学会発表のほかに査読付き英文学術誌に投稿しました.オンラインでの学会発表は計5回行いました. 第二は,新規データや政策情報を活用したプロトタイプモデルの拡張です.これについては,各国船社の経営動向と政策に関する変数の反映について主に実務家とのコミュニケーションを通じて検討を進めています.2020年度は,コンテナ市況に関する学会発表を2回行ったほか,雑誌記事1本の成果がありました. 第三は,構築したモデルの世界各地への適用(シミュレーション分析)を行う予定ですが,こちらはまだ進んでおりません.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.コンテナ市況予測プロトタイプモデルの構築 2) の運賃と輸送量を同時に予測できるモデルの明示化について,当初予定していたモデルではなく,別のモデルを用いるようにしたためです.時系列モデルや機械学習に関するモデルを使って様々な分析を試みてきましたが,コロナ禍によって研究対象であるコンテナ市況がこれまでに予想しなかった形で変動したため,新たな要因が市況に関係することも判明してきました.これを受けて実務家の方々と共有でき,計画の方針にかなうと考えて変更しております.ほかのものについても上記の変更を踏まえて進めることを考えています.
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Strategy for Future Research Activity |
IAME(International Association of Maritime Economists)や関連する学会および海運業界に関係するセミナーなどにおいて,研究代表者がこれまで行ってきた関連研究を発表する予定です.また,これまで行ってきた研究の査読誌への投稿も進めています.そのうえで,遅れを取り戻していきます.
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症拡大のため,アポイントメントをとることが困難となり,国際学会もオンラインとなったことで旅費の使用が想定よりも低くなった.コンピュータの購入が遅れたことも次年度使用額が生じた大きな理由である.来年度は学会および旅費の使用と機器の購入も計画している.
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Research Products
(9 results)