2023 Fiscal Year Annual Research Report
制度論的アプローチによる組織の長期的存続プロセスの理論的・実証的解明
Project/Area Number |
20K22137
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古田 駿輔 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (40879673)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 新制度派組織論 / 制度維持 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は組織の長期的存続プロセスについて、新制度派組織論を用いて解明することを企図していた。昨年度に引き続き、本年度は少し視点を変え、制度維持の視点を用いて、組織の長期的存続プロセスの解明を試みた。2023年度は、①前年までの研究内容の精緻化と学会報告、②新しいリサーチサイトにおけるインタビュー調査を行った。 まず①に関して、これまでの国内・国外学会等での研究報告内容をさらに精緻化する作業を進めた。問題意識をより具体的にし、「既存の制度がなぜ/どのようにして維持されるのか」に変更したうえで、「既存組織の新しい実践に対する抵抗と取り込み」に関して理論検討と定性分析を行った。また、そもそも「制度とは何か」についても先行研究では曖昧だったため、新制度派組織論に加え、制度派経済学、比較制度、社会学や政治学における制度概念を幅広く比較検討しながら、新制度派組織論における「制度」概念の精緻化作業を行った。その結果、「シンボリズム」の重要性が解明できた。この点を踏まえた成果をBritish Academy of Managementや研究会などで報告し、内容の精緻化を図った。さらにその成果は、一部研究成果としてアウトプットもできた。 次に②に関して、大学制度(横浜のプロジェクト)に対して、新しいリサーチサイトとして共同研究者とともにインタビュー調査も行った。制度維持を解明するためには、「なぜ存続できなかったのか」についても検討する必要が生じたためである。調査の概要としては、報告会に一度参与観察の形式で参加したのち、共同研究者とともに3名の参加者に対してzoomを用いたインタビュー調査を行った。2024年3月現在、論文化作業を進めており、年内には学会誌に投稿する予定である。
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