2020 Fiscal Year Research-status Report
精神保健福祉領域における都道府県保健所が市町村に行う技術支援の実践モデル開発
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20K22148
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
岡田 隆志 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (40874326)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 精神保健福祉 / 都道府県 / 保健所 / 技術支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市町村単位で取り組まれ始めた「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築をより推進するためは、都道府県の保健所(以下、県型保健所)が行う技術支援をより充実させていく必要があるとの着想から、取り組んでいるものである。 これまで研究代表者が続けてきた研究成果によって、技術支援のガイドラインは存在せず、担当職員個人の判断と力量に左右されていることを明らかにし、質的研究の結果を元にして技術支援の構造と特性を体系化した。 本研究では研究代表者による指標案を用いて、県型保健所の精神保健福祉相談員や保健師を対象に全国調査を行い、市町村の機能を高める技術支援の内容を可視化した指標と実践モデルを開発することを目的とした。効果的な技術支援の実施によって市町村の機能が高まれば、精神障害者にとって暮らしに役立つ支援がさらに受けやすくなると考えられる。また、都道府県と市町村における重層的な支援構造は精神保健福祉領域に限定されるものではないため、児童・他障害分野における都道府県の関与のあり方に示唆を与えることも可能となる。 研究の進捗状況としては、1年目の2020年度には、まず県型保健所に従事する精神保健福祉業務担当者の配置状況に関する調査をとりまとめた(岡田2020)。そして、全国の県型保健所に対して、郵送法による質問紙票調査(悉皆調査)を実施した。2年目の2021年度は、実施した調査結果を詳細に分析したうえで、技術支援の指標を作成する。そのうえで、研究成果をリーフレット等にまとめて全国保健所に配布する計画としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国調査に向けた準備は予定通り済ませることができた。調査については、新型コロナウィルス感染症の蔓延により、実施時期の設定に苦慮したものの、2020年度内に実施することができた。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
調査回答結果を遅滞なくデータ化したうえで、分析に十分な時間をかけていく予定である。分析結果を取りまとめ次第、様々な機会を活用して批評を受け、精査をしていく。結果の公表のために作成するリーフレット等には、早期に専門の業者と打ち合わせを行うなど、遅滞なく取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、学会がweb開催になり旅費・参加費が不要になったり、会議はZOOMでのオンライン実施となり旅費が不要になるなどしたため、次年度使用額が生じた。次年度は、調査分析に必要な委託費支払いのほか、情報収集やコンサルテーション等に経費を活用していきたい。
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