2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Family Support for Children with Developmental Disabilities Based on the Empowerment and Behavioral Change Approach
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20K22159
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
前野 明子 志學館大学, 人間関係学部, 講師 (30883516)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 家族支援 / エンパワメント / 行動変容 / 親支援プログラム / 当事者 / 協働 / 地域に根ざしたリハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度である2022年度は、親支援プログラムの2クール目を実施した。今回も、当事者である発達障害児の子育て経験者と専門家との協働で実施する家族支援方法の効果と課題を検討する目的で、親支援プログラム参加者への質問紙および事後アンケート、個別のインタビューを実施した。その結果、参加者の養育スタイルについては、参加後の「肯定的はたらきかけ」・「相談・つきそい」の有意な増加と、「叱責」の有意な減少が認められ、抑うつ症状についても参加後の有意な軽減が認められた。これらは、1クール目の結果を支持する内容であったことから、本プログラムは、参加者の子育てにおける行動変容と精神的健康に対して安定した有効性を持つと考えられる。 また、事後アンケートでは、参加者の9割以上が「自分と子どもの行動の良い変化」と「子育てに対する気持ちや考え方」について肯定的に評価していた。このことから、本プログラムは参加者にとって子育てにおける行動面の変化に加えて、認知面・感情面の変化を実感できるプログラムであったと言える。 そして個別のインタビューの結果から、本プログラムの特徴は、子どもが同年代の親同士の「ヨコのつながり」による「経験に基づく共感や安心感」と、子育て経験者との「タテのつながり」による「知識や経験に基づく有効な助言や将来への見通し」が、参加者相互のエンパワメントを生み出すことにあると考えられた。 この他にも2クールの実践を通じて、オンラインを活用したプログラム実施についての知見を得ることが出来た。具体的には、今年度も新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、状況に応じてプログラムの実施形態を完全オンライン形式、もしくは対面とオンラインを併用したハイブリッド形式に変更した。その結果、直接来場できない場合でも参加を保障する有効な手段であることが確認され、今後の地域展開における重要な示唆が得られた。
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Research Products
(6 results)