2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of social movements of water resource-Bolivian case
Project/Area Number |
20K22163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧田 裕美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00882862)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | ボリビア / 社会運動 / 水道事業 / 民営化 / 再公営化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は9月から12月まで3ヶ月の現地調査を行うことができた。本研究の意義は、ボリビアで2000年代に生じた2つの水戦争を比較、分析することであった。特に、第二の水戦争は資料の入手困難さから研究の蓄積が乏しく、研究がされないままま風化されようとしていた。この第二次水戦争に関して、資料の保有者であり、かつ研究者でもある現地専門家へのインタビューによって、研究するべき意義があるにも関わらず、資料の保有者が多忙なため、資料の分析が進んでいない件に関する危機感を共有できていることを確認できた。 これまで、第二次水戦争に関しては現地の識者の間でも「社会運動」として認識されていることが少なく、第一次水戦争との比較は困難だとする声をインタビューでも多く聞いてきた。しかし、資料の保有者と、第一次水戦争と第二次水戦争は比較可能な要件が揃っており、比較する意義があるということを議論できたことで、今後の調査の方向性について、有意義な示唆を得ることができた。資料がデジタル化されておらず、膨大なため、まだ資料の全てを入手できていないが、現地の協力者がスキャンして送付してくれる計画もあるため、引き続き分析を進めたいと考えている。 年度中に査読論文を通すことはできなかったが、当該研究期間を通じて執筆したものが複数あるため、それを修正し、成果を広く世に出せるよう、国内だけでなく、現地の研究者の指導を仰ぎつつ、英語圏だけでなく、スペイン語での論文執筆も今後は視野に入れることを考えている。
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