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2020 Fiscal Year Research-status Report

注意欠如多動症ハイリスク児に対する円環的評価モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 20K22215
Research InstitutionNayoro City University

Principal Investigator

奥村 香澄  名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (60781482)

Project Period (FY) 2020-09-11 – 2023-03-31
KeywordsADHD / PASS評定尺度 / 子どもの強さと困難さチェックリスト / ADHD-RS / CSE-D / 育児負担
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、ADHDハイリスク児を生物学的、心理学的、社会的といった複数の視点から評価し、早期に支援するための知見を見い出すことである。医学的にADHDの診断がつくと、投薬やペアレントトレーニング、療育など多くの医療的、社会的資源を利用する機会やその情報が提供される。一方で、診断は受けていないものの、ADHDに類する状態像を持っていて、その育児に負担を感じている保護者も少なくない。ADHDハイリスク児には、低出生体重児やADHDきょうだい児などをあげることができ、また自閉症スペクトラムも幼児期にはADHDと同様の状態像を示すことがある。これらのことから、ADHDと医学的な診断がつかなくても、保護者の困難さや子ども本人の認知面での偏り、脳機能の特異性からADHDのリスクを評価し、それに応じた子ども本人への支援に加えて、保護者への手厚い支援を行う一助を得ることが本研究の目的である。今年度は、第58回日本特殊教育学会のシンポジウムにて「発達障害児・者の生理心理学的アプローチによる理解」を実施した。このシンポジウムでは、事象関連電位(ERP)や心拍数といった生理学的データと教育現場をいかにして結びつけるかについての検討を行った。さらに、第58回全国大学保健管理研究集会にてポスター発表「看護学生における学外実習と学修上の困難さの関連」を行い、ADHDハイリスク児が大学生になった時に、どのような困難さをもち、どういった支援が必要なのかについて質問紙調査による検討を行った。これらの研究により、生理指標や質問紙単独では、十分にADHD児者の医学的、心理学、社会学的な評価は十分ではないことが示唆された。本研究では、これらの3領域の評価を同時に行うことによって、ADHD児を円環的に評価することの可能性について検討を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定では、ADHDハイリスク児を円環的に評価するために、生物-心理-社会的モデルに基づいた評価を行う予定であった。昨年度、および今年度では、新型コロナウイルスの影響により、近隣小学校での研究の実施が困難であった。また、近赤外線スペクトロスコピー(以下、NIRS)は肌に触れる部分はある程度、消毒可能であるが、一部洗濯ができない布製品で作られている。市内でも新型コロナウイルスの感染が確認されたこと、医療機関が付属しない本学では危機管理体制を十分取りきれないことを鑑み、児童生徒への実験および認知機能検査の実施を中止し、保護者(母親)への質問紙調査のみを実施することとした。一方で、これらの調査を中止することによって、ADHDハイリスク児を生物学的、心理学的に評価することが困難になるため、新たに、PASS評定尺度によって、児童生徒の認知面での評価を行うこととした。現在、近隣のA施設にて、施設および保護者の承諾を得た上で調査を実施している。

Strategy for Future Research Activity

昨年度同様、母親への質問紙調査を実施する。現在5名に対しての調査が終了しており、今後20名前後に調査を実施予定である。新型コロナウイルスの状況によっては、児童生徒を対象とした実験および認知機能検査を再開することとする。
現在、ADHD児の認知機能に関するレビュー論文を投稿している。また、子どもが課題実施中の眼球運動を計測した研究について、シンポジウムにて発表予定である。本研究で得られたデータに関しては、「LD研究」もしくは「小児の精神と神経」に投稿予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスの影響により、実験の実施が遅れたため、必要物品の購入を見送った。また、調査内容を①児童生徒への実験、②児童生徒への認知機能検査、③保護者に対する質問紙調査の3つの計画のうち、③保護者に対する質問紙調査のみ実施するため、子どもへの負担が減ったことから、謝金を支払わないこととした。さらに、国内の学会も、新型コロナウイルスの影響を受けて、オンライン開催となったため、旅費が必要ではなくなった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 発達障害児・者の生理心理学的アプローチによる理解2020

    • Author(s)
      吉井鮎美,岡崎慎治,中野泰伺,奥村香澄,木塲和香,勝二博亮
    • Organizer
      日本特殊教育学会
  • [Presentation] 看護学生における学外実習と 学修上の困難さの関連2020

    • Author(s)
      奥村香澄,松浦智和,安永啓司,玉重詠子,矢口明,荻野大助,大見広規
    • Organizer
      日本大学保健管理研究集会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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