2021 Fiscal Year Research-status Report
教員養成での東日本大震災の教訓を基にした地域連携型防災教育カリキュラムの開発
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20K22217
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
今野 孝一 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (90880964)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 防災教育 / 教員養成 / 東日本大震災 / カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、小学校教員養成課程における「地域連携型防災教育カリキュラム」の作成のために、小学校での防災計画と防災教育の実践についての検討と小学校教員養成課程の大学での防災教育のカリキュラムの検討、防災教育実践を通して身に付けることができる資質・能力についての検討を実施した。 仙台市や宮城県内の小学校においては、東日本大震災の被害や犠牲を教訓に、学校現場では津波を含めた防災計画の整備が進んだものの、10年が経過して地域や学校ごとの差が見られ、備えを形骸化させないためには、避難訓練を重ねるといった継続的な取り組みが重要になると考えられる。また、学習指導要領の改訂によって外国語の導入、指導内容や授業時数の増加があり、防災教育のために時数を確保することが難しくなっている状況が見られた。 2021年度は、阪神淡路大震災及び東日本大震災後の防災教育の現状と課題にもとに、日本の学校教育における防災教育について考察を行い論文としてまとめ、これからの防災教育においては、災害から自らの命を守り抜くために、主体的に行動する「姿勢」を育成するための教材や教育手法を開発・普及することが重要であることを明らかにした。 また、「地域連携型防災教育カリキュラム」の一環として、仙台市内小学校で、地域連携型の防災教育を地域の方の協力をもらい実施した。子どもたちは、ジオラマ(地形模型図)やドローンの映像、地域の方の話に関心を示すとともに、実際の避難行動を「自分事として」考えることができた。 子どもの命を守れる教員の養成を目指し、被災地や震災遺構を見学や震災を経験した教育関係者からの講話を行うとともに、災害から自らの命を守り抜くために、主体的に行動する「姿勢」を育成する授業ができる教員として身に付けるべき資質・能力についての検討し、「小学校教員養成課程における『地域連携型防災教育カリキュラム』」を作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、小学校教員養成課程における「地域連携型防災教育カリキュラム」の作成のために基礎調査や教材、地域人材の発掘、三陸地域の学校における地域と連携した取組についての聞き取り調査等を行ってきた。 2021年度は、日本の学校教育における防災教育について考察を行い論文としてまとめるとともに、「地域連携型防災教育カリキュラム」の一環として、仙台市内小学校で、地域連携型の防災教育を地域の方の協力をもらい実施した。また、大学においても、被災地や震災遺構を見学や震災を経験した教育関係者からの講話を行うとともに、災害から自らの命を守り抜くために、主体的に行動する「姿勢」を育成する授業ができる教員として身に付けるべき資質・能力についての検討してきた。 (1)教材や地域人材については、語り部等地域の方々から聞き取りや協力をいただき、県内を中心に教材開発を進めてきた。 (2)三陸地域の学校における地域と連携した取組についての聞き取り調査については、新型コロナウイルス感染症の影響で、岩手県など他県での調査ができない状況が続いたことから、宮城県内に限られた。コロナ感染の状況を見ながら、他県での調査研究を継続していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、以下のように進める。 第一に、教員養成大学で子どもの命を守ることができる教員を養成するための「地域連携型防災教育カリキュラム」を作成する。①教員に必要とされる防災に関するリテラシーについて整理し、教職課程での防災教育について身に付けるべき知識・資質・能力がどうあるべきか検討をさらに深める。②防災教育について、災害から自らの命を守り抜くために、主体的に行動する「姿勢」を育成するためのアクティブ・ラーニングの授業や教材開発を継続して行う。③質問紙調査により学生対象に「学習前後の意識と実態調査」を行い、授業前後の防災に対する意識と実態を明らかにし、内容の改善・修正を行う。 第二に、新型コロナウイルスの影響で完結出来なかった「三陸地域の学校における地域と連携した取組についての聞き取り調査」と「東南海地域等他地域の学校での調査」を行い、地域と連携した防災教育の実践事例の収集に努める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で完結出来なかった「三陸地域の学校における地域と連携した取組についての聞き取り調査」と「東南海地域等他地域の学校での調査」を行い、地域と連携した防災教育の実践事例の収集を行うため。
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