2020 Fiscal Year Research-status Report
現代中国農村中学校における教師の「生活指導」に関する研究
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20K22221
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
劉 麗鳳 日本大学, 文理学部, 助手 (20875801)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 生活教育 / 生活指導 / 家庭と学校の連携 / 中国農村部 / 素質教育 / 寄宿制学校 / 海外調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、中国農村部の学校における教師の「生活指導」に焦点を当てて、その実態と理論について、教師・保護者を対象としたインタビュー調査を通して明らかにすることである。2020年度は、日本の「生活指導」にかかわる先行研究や資料を収集しながら、中国における教師の教育実践と「生活指導」の現状を整理するとともに、農村部教師・親インタビューの質問項目作成のための準備作業を行った。 日本と比較した場合、中国は都市部と農村部に関わらず、教師の教育実践において「学習指導」側面が強調されがちであり、「生活指導」が看過されやすい傾向にある。近年は素質教育の深化に伴い、学習指導にとどまらず子どもの生活状況や進路指導等も視野に入れた指導が期待されている。とりわけ、農村部における寄宿制学校の普及により、子どもたちの生活状況や交友関係等に対する指導の必要性が高まっている。日本の「生活指導」に相当する概念が確立されていないが、それに相当する概念として教育思想家の陶行知的「生活教育」の理念や、欧米諸国や日本から導入した「学生指導」概念が注目され、また家庭と学校の連携を目指す「家校合作」の考え方が学校教育の実践レベルでも進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本の生活指導に関連する先行研究や資料を集め、その分析作業を予定通りに進められているが、中国農村部の学校教育や教員養成に関する最新資料や書籍の入手が予定以上に時間がかかってしまい、分析作業がやや遅れている。また、初年度に中国農村部の現地調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染症のため移動に隔離期間が必要であり、勤務との兼ね合いから実施が難しいと判断した。以上の理由から、当初の研究課題計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は研究計画の遅れを取り戻すために、対面インタビューではなく、オンライン・インタビューの実施を計画している。すでに対象となる親や教師にインタビュー調査の依頼を行っている。学校現場を訪問できない分、文献資料の調査やインタビュー項目の修正を工夫しつつ、分析枠みの再検討作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
中国現地調査を実施する予定だったが、新型コロナウィルス感染症のため実施できなかった。次年度はオンライン・インタビューや日本国内の資料調査を実施する予定である。
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