2020 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive research on changes in the qualities and abilities of university students -Through study tours to other countries-
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20K22226
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Research Institution | Momoyama Gakuin University of Education |
Principal Investigator |
柴田 真裕 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 講師 (60881000)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | カンボジア / スタディー・ツアー / 開発途上国 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,海外研修やスタディー・ツアーにおいて,参加者の資質や能力の変化を包括的,かつ多面的な評価内容及び,評価方法を実証的に開発し,明らかにすることが目的である。 近年,中等・高等教育は,グローバル人材の育成を重要視し,語学力のみならず,相互理解や価値想像力,社会貢献意識等の資質・能力の育成に尽力しており,日本の大学生の留学数は急増している。また,大学や民間NGOは海外研修プログラムを開発・実施し,プログラム参加者は,概ね大きな学びや成長を感じている。 しかしながら,研修により修得される資質,能力等の内容に関する研究は,研究方法に課題が認められ,不十分である。具体的には,従来の研究は,国際性,協同性等の特定の内容に関する事後の質問紙調査,一時的に行われるインタビューが主であり,参加者から得られる情報が十分とは言えない。 そこで本研究では, 研究方法を改善し,大学生を対象に,海外スタディー・ツアー参加者から,多面的かつ包括的な調査により,量的,質的,経時的情報を得て,ツアーにより向上する資質・能力等を実証的に明らかにする。 具体的には,郵送による質問紙調査を完了させ,そこから得られた結果を基にスタディー・ツアー参加者に対する事前,事後,追跡調査の質問紙調査票の開発を行う。その後,スタディー・ツアー参加者に対し,事前・事後,追跡調査,インタビュー,ワークシート,ディスカッション等を用いて,量的,質的の両面から調査,研究することで,今後の様々な研修やスタディー・ツアーのプログラムをより効果的に発展させることが可能となる事を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の要となる,質問紙に関しては鈴木,他(2000) による「国際理解測定尺度」,島本,他(2006) による「日常生活スキル尺度」,柿本,(1995) による「間人度尺度」,立石,他(2018) による「リスクに関する準備尺度」等をもとに2020年度に国内の日本人大学生399名を対象に質問紙調査を実施し,因子分析等を行い作成が完了している。その中で,柿本,(1995) による「間人度尺度」については,本研究にはそぐわないことも明らかとなり,代わりとなる尺度の選定も完了している。 本来の計画では,作成した質問紙を用い,2021年2月にカンボジア王国へのスタディー・ツアーを計画していたが,周知の通り,Covid-19によるパンデミックの影響により,渡航自体が実施できておらず,研究自体がストップしている状況である。また2021年8月にもカンボジア王国へのスタディー・ツアーを計画しているが,現状を鑑みるとそちらも実施可能性は低いと言わざるを得ない状況であり,更に研究自体,遅れが生じるものと見通している。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19がもたらしたパンデミックの影響から,研究の見通しを立てるのが困難な状況であるが,2022年2月にカンボジア王国へのスタディー・ツアーを実施する前提で計画をしており,以下の予定で進めようと考えている。なお,本研究は,事業期間延長承認申請書を提出する予定である。 2022年2月,カンボジア王国へのスタディー・ツアーを実施。2022年3月~7月,2022年2月の参加者に対して実施した質問紙調査や追跡調査,渡航先でのインタビュー,ワークシート,ディスカッションの分析を行う。2022年8月にもカンボジア王国へのスタディー・ツアーを実施し,そちらの参加者に対しても分析を行う。 このように2022年中に2回のカンボジア王国へのスタディー・ツアーを実施,分析を行い,参加者の資質や能力の変化を明らかにできるよう,計画している。
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Causes of Carryover |
当年度にカンボジア王国への渡航を計画していたが,Covid-19によるパンデミックの影響により渡航ができていない。そのため,海外渡航経費として計画していたものが翌年へ繰り越すこととなった。今後の情勢を見守りながら,渡航可能となった際には渡航費として使用する予定である。
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