2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive research on changes in the qualities and abilities of university students -Through study tours to other countries-
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20K22226
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Research Institution | Momoyama Gakuin University of Education |
Principal Investigator |
柴田 真裕 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 講師 (60881000)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | スタディツアー / カンボジア / 社会スキル / kiss-18 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,これまでの研究で明らかとなった社会スキルの変化について参与観察を含めた調査を行った。その結果,2022年度に実施した結果とは明らかに異なる結果が得られた。22年度の結果では,海外スタディツアー後に社会スキルは有意に低下し,その後回復,上昇を見せたが,23年度の調査では,社会スキルに有意な変化は確認できなかった。このことから,量的調査の限界,また,途上国に複数の初対面の者との参加という条件だけでは,社会スキルに影響を及ぼさない点が明らかとなった。 本研究は,大学生が途上国への海外スタディツアーへの参加によって習得できる資質,能力を明らかにすることを目的とし,調査を行った。複数の尺度を用いた質問紙調査を①渡航前②帰国直前③帰国1ヶ月後の3度行ったところ,菊池章雄(1998)が開発したkiss-18(社会的スキル)において参加者のスコアに有意な差を示した。※菊池は社会スキルを「対人関係を円滑に運ぶためのスキル」と定義している。 この結果から,別大学が実施する海外スタディツアーでも同様の調査を行ったところ,社会スキルに有意な変化は確認できなかった。このことから,参加者に社会スキルの変容を求めるのであれば,ある程度の仕掛けが必要である点が示唆された。この点については今後も継続した調査が必要だが,①目的達成を軸としたプランである事②日常とは違うコミュニティーに属する参加者(他大学や他学部等)とのプログラムである事③日々のリフレクションの実施を行うこと,現時点では,この3点を踏まえたプランニングを行うことで,社会スキル向上を目的とした海外スタディツアーが実践できるのではないかと考えている。 本研究はコロナ禍直後という点もあり,サンプル数を確保することが非常に困難であった。今後も継続的な調査研究を行い,海外スタディツアーの効果について明らかにしていく必要性を感じている。
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Research Products
(3 results)