2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校家庭科及び生活科における「家族」の学習に市販絵本を活用した学習教材の開発
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20K22227
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Research Institution | Yamato University |
Principal Investigator |
鈴木 千春 大和大学, 教育学部, 准教授 (60874831)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 小学校家庭科 / 生活科 / 家族の学習 / ワークシート / 絵本 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は小学校家庭科と生活科における家族の学習に絵本をとワークシート(WS)を活用した授業の学習効果を示すと共に、発達段階における差異を検証し、効果的な活用方法を見出すものである。 2020年度は家庭科と生活科の授業実践を行った。2021年度は効果検証、比較を行い、有効な教材、授業方法を検討した。まず、家庭科では、児童自身が絵本の中の「家族の一員」になりきって「吹き出し」に記述する形式のWS-Aと、児童が「家庭科アドバイザー」として「罫線」に記述する形式のWS-Bを比較した。結果,いずれのWSを使用しても、児童は【役割を分担する】工夫を記述することができた。記述の特徴は、WS-Bが具体的かつ相手に提案する、WS-Aは抽象的かつ相手に命令するような表現が多くなった。事後に「家族と聞いて思いつく言葉」の数が増え、特に「役割分担」の言葉が出現したことからWS-Bが効果的であった。 生活科では、家庭科の実践を援用し、家庭科のWS-Aに対応したWS-Ⅰと、WS-Bに対応したWS-Ⅱを用いて授業実践を行った。結果は、家庭科と同様にいずれのWSを活用しても【役割を分担する】などの工夫を記述でき、学習目標は達成できた。記述の特徴は共に抽象的で、WS-Ⅰが相手に命令する、WS-Ⅱが相手に提案する表現が多くなった。生活科では、事後に家族は「大切・大事」の気づきが多くなるWS-Ⅱが効果的であった。よって絵本を活用した場合のWSの形式は、発達段階によらないことが示唆され意義ある結果が得られた。 しかし両教科、工夫を具体的に見出せなかった課題がある。絵本の中の問題点の把握不足、登場人物への共感不足が原因であったと推察し、これを補う授業を開発する必要性が発生した。追加の実践を計画中であったが、新型コロナの影響を受け、協力校が閉鎖されたことにより実施ができなかった。今年度は追加実践を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
授業実践の結果から、さらに良くなる授業内容や教材の提案が見込まれる授業実践を考案した。その根拠を示すための実践を計画中であったが、新型コロナの影響を受け、研究協力校が学校閉鎖された。また、再開された後も、児童の学修保障や外部者の出入り規制などがあり、研究目的の実践を自粛した。 当初の研究目的を実施した結果、さらに研究の精密さを高めるため、追加の授業実践が必要と判断した。この部分がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
家庭科と生活科において、絵本とWSを活用した家族の学習に効果的な教材を提供するため、さらなる授業実践を実施する。また、家庭科、生活科、両教科それぞれの結果、比較の結果等を所属学会において発表する。また、本研究の有効性が広く認知されるよう、論文を投稿する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染対策によって、各学会の大会がオンラインで開催されたことによって、参加費、交通費が削減できた。2022年度は対面での開催がある学会や会議においては使用する予定である。また、追加の授業実践を実施した場合は、それに必要な物品、旅費、人件費等を使用する。
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Research Products
(2 results)