2022 Fiscal Year Annual Research Report
小学校家庭科及び生活科における「家族」の学習に市販絵本を活用した学習教材の開発
Project/Area Number |
20K22227
|
Research Institution | Yamato University |
Principal Investigator |
鈴木 千春 大和大学, 教育学部, 准教授 (60874831)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
Keywords | 小学校 / 家庭科 / 生活科 / ワークシート / 家族の学習 / 絵本 / 授業実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校家庭科と生活科の「家族の学習」に、絵本と開発した2種類のワークシートを活用した授業実践を通して学習効果を示し、絵本の活用方法を明らかにした。絵本は、家庭の仕事を分担できていない家族が描かれた、「おんぶはこりごり」(アンソニーブラウン、2005)を使用した。ワークシートは、考えたり書いたりするために①イマジネーション育成のアプローチから「家族の一員」になって「吹き出し」に記入する形式、②国語教育的なアプローチより「アドバイザー」になって「罫線」に記入する形式の2種類を開発した。 2022年度は、これまでに行った両教科のデータ分析について、さらに詳細な分析を加え、絵本の活用方法を結論付けた。絵本を活用した授業を行う場合は、両教科いずれのワークシートを活用しても、授業の目的は達成できたが、児童が目的に沿って記述した内容を、量的な視点で捉えると、家庭科では②のワークシート、生活科では①のワークシートと合わせて活用することが効果的であることが示唆された。 また、本年度は本教材の有用性を確認するため、小学校家庭科担当者が参加した2か所の研究会において聞き取り調査を行った。協力を得られた10名の担当教員には、絵本とワークシート、指導案等を公開し、授業実践の結果報告、研究の趣旨や教材の使用方法などの説明を行った。両教科の2種類のワークシートは、いずれも修正が必要だとする個所はなく、ほとんどの担当教員が使用したいと回答した。 本研究は、授業実践を通して「家族の学習」に、絵本と2種類のワークシート教材の有効性を示すことができた。また、家庭科と生活科における2教科間の比較検証によって、児童が考えたり書いたりするための効果的な方法が、発達段階によって異なることを示唆した。
|
Research Products
(1 results)