2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K22237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 雅子 東京大学, グローバルキャンパス推進本部, 助教 (80835611)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 日本語音声教育 / e-learning / 日本語音韻習得 / 聴取練習 / 自律学習 / ブレンディッド・ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語の音韻を正確に聞き取れない学習者のための聴取練習e-learning教材を開発し、その効果を検証するものである。本研究の目的は以下の二点である。(1)e-learning教材によって、学習者の音韻習得が促されたかどうかを明らかにする。(2)e-learning教材を使用したブレンディッド・ラーニングの効果的な方法を提案する。なお、本研究では「無声・有声破裂音」、「ナ行音・ラ行音・ダ行音」の音韻を取り上げ、研究を行う。「無声・有声破裂音」では、中国語母語話者および韓国語母語話者を対象として研究を行う。「ナ行音・ラ行音・ダ行音」は中国南方方言話者にみられる混同であるため、方言別に分析し、検討を行う。 2021年度は、①e-learning教材の開発、②日本語学習者を対象として調査を実施した。 ①本e-learning教材には、聴取練習問題に加え、診断テスト、確認テスト、BBS機能、各回の聴取練習を終えた後に記入する「感想」機能、教材開発者に質問できる「Ask Me Anything」機能を設置し、学習者の音韻習得を促し、多角的に分析できるよう工夫を凝らした。 ②「無声・有声破裂音」においては、中国の大学で学ぶ日本語学習者8名および韓国の大学で学ぶ日本語学習者4名を対象として調査を実施した。調査対象者には調査期間中にe-learning教材を使用して練習してもらい、その練習データから誤聴傾向および練習回数を分析し、練習方法の検討を行った。また、「ナ行音・ラ行音・ダ行音」においては、中国の大学で学ぶ日本語学習者36名を対象として調査を実施した。調査対象者にe-learning教材を使用して練習をしてもらい、聴取混同がどのように変化したのかを明らかにした。さらに、アンケート調査を実施し、学習者における「ナ行音・ラ行音・ダ行音」の難しさがどう変化したのかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、中国および韓国出張が叶わなかったため、現地で学ぶ日本語学習者を対象とした調査を全てオンラインによる調査に変更を行った。そのため調査に遅れが生じ、年度内に全ての調査データの分析を行うことができなかった。まだ分析を終えていない調査データが残っているため、これらの分析を次年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に行った調査のデータ分析を進める。また、分析結果に基づき、本e-learning教材の改良を行う。さらに、学会発表および論文投稿により、研究成果の発信を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、学習者を対象とした調査に遅れが生じ、データ分析に時間を要している。次年度に統計分析ソフトを購入し、より詳細なデータ分析を行う。さらに、開発したe-learning教材の改良を行う。
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Research Products
(2 results)