2020 Fiscal Year Research-status Report
国内大学生による短期留学の教育効果の測定に関する実証研究
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20K22239
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小林 元気 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 准教授 (10878143)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | グローバル・マインディッドネス / 短期留学 / IEOモデル / 留学のインパクト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、短期留学の効果を測定する汎用的な尺度指標として「グローバル・マインディッドネス」に着目し、本尺度を用いて短期留学の教育的効果を検証することを目的としている。2020年度は、研究実施計画に基づき、以下の3点について作業を進めた。 第1に、定量データの分析に向けた研究環境を構築した。申請者は本科研費の採択と前後して勤務先が変更となったため、調査データの多変量解析のためのハードウェア及びソフトウェアを揃え、次年度の分析のための準備を整えた。 第2に、本研究の分析枠組みに関連する高等教育研究、グローバル・マインディッドネス概念と関連する社会学や心理学、分析方法に関する統計学等、各領域の文献を広く収集した。とりわけ、高等教育の国際化やシティズンシップ概念、社会学理論、労働社会学の領域を重点的にフォローし、本研究の考察の土壌を拡張することができた。また、グローバル・マインディッドネスの先行研究が学際的で多様なアプローチにより検討されていることから、本研究においても単純に短期留学の効果の有無を測定することにとどまらず、その教育学的含意についても深めていく必要性を見出すことができた。 第3に、2021年度のインターネット調査に向けて、Hettが開発したグローバル・マインディッドネス尺度の調査票を和訳し、日本での調査に際しての修正点について検討した。特に、米国を念頭に置いた質問項目に関して、①米国を日本に入れ替えるだけで問題ないもの、②地理的な観点から再考が必要なもの、③情報の鮮度の観点から再考が必要なもの、3つに分類し、それぞれ必要な修正を加えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究実施計画において当初想定していた「①国内大学生による短期留学の効果測定を前提としたグローバル・マインディッドネス尺度の開発」の作業に関して、概ね終えることができたため。 一方で、2020年度途中の勤務先の変更や、コロナウィルス感染拡大等の影響により、本研究課題に十分なエフォートを割くことができておらず、特に文献調査については引き続き時間をかけて入念に行う必要性を感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初2021年度初めに予定していたグローバル・マインディッドネス尺度の妥当性を検証するための予備的調査は、勤務先大学での対面授業を念頭に置いていたため、実施が難しくなった。代替案として、オンラインでの予備的調査の実施を検討する。また、オンラインの研究会等を通じて研究者からのフィードバックを得ながら、調査票の完成を目指す。その後、インターネット全国調査を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
学生アルバイトの雇用や予備調査の準備等により「人件費・謝金」「その他」に予算を割り当てていたが、対面での予備調査の実施が難しくなり、また、2021年度のインターネット全国調査の予算を十分に確保する必要があったため。
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Research Products
(3 results)