2021 Fiscal Year Annual Research Report
自己評価能力を育成し、子供が自立した学習者として学び続ける道徳科授業モデルの構築
Project/Area Number |
20K22242
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
清水 顕人 香川大学, 教育学部, 准教授 (00882747)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 道徳科授業 / 自己評価 / 振り返り / 対話 / 付箋 / 他者評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず、子供自身が評価の視点に沿って学びを振り返ることのできる1単位時間の道徳科の授業を構想・実践し、課題を明らかにした(研究1)。そして、研究1から見えてきた課題に対し、他者評価を取り入れて自己を振り返ることができるように改善した授業を構想・実践し、授業改善を図った(研究2)。さらに、研究2の実践後、授業を通して感じたことやよかったことについて、子供に自由記述で回答を求めた。これらを通して、子供が自分自身の学びを振り返る自己評価能力の育成を目指した道徳科授業の在り方を明らかにしていくことが本研究の目的であった。 研究1では、小学校5、6年生の学級における5教材を用いた各授業について、終末段階のグループ対話の動画記録を基に、振り返りについての課題を明らかにした。その課題とは、「振り返りの表明に留まり、発表会のようになって時間がかかり、対話によってより深く振り返ることにつながりにくい」「振り返りについての対話では、教師が声をかけて関わることが難しい」などである。 研究2では、学習指導過程における終末段階の見直しを行い、終末段階の2回の自己評価の間に、対話に替えて付箋による交流を実施するようにした結果、短時間で充実した交流の様子が見られた。また、授業後に実施した質問紙調査の回答結果(全35名)について、KHコーダを用いて共起ネットワークの図を作成し、特徴的な3つのグループについて、関連する回答記述を読み返すと、「友達からメッセージをもらえること、自分のよさへの気づきなどが、うれしさにつながっている」ことや、「友達の意見を受けて、自分の考えの深まりを実感できる」ことなど読み取れた。付箋が振り返りを深める他者評価となっていることがうかがえる。つまり、付箋による他者評価によって、より質の高い自己評価を促すことが示唆されたと言える。
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Research Products
(1 results)