2021 Fiscal Year Research-status Report
Educational Impact of Short-term Study Abroad Programs for English Language Learning
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20K22254
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北野 知佳 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (70838325)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 短期留学 / 英語 / キャリア / ネイティブスピーカリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1)短期留学プログラムの実態調査と、2)日本人短期留学生がどのような英語話者を留学先での理想の対話者として位置付けているのか、ネイティブ信仰の有無を基軸に調査を行い分析し、今後、有効な短期留学の枠組みの構築を図ることを目的としている。この間のコロナ禍で、当初の研究対象であった留学が制限されたことに伴い、オンライン留学に研究対象を再設定した。2020年度は、3週間のオーストラリアの大学とのオンライン留学の参加者へのインタビュー(4名) を行った。2021年度はオンライン留学を実施した私立大学(3校)の教職員(2021年12月)、ならびに国立大学(1校)の教員(2021年11月)にもヒアリングを行った。その研究成果の一部については国際学会(4th Biennial Asia Pacific Vurtual Exchange Association Conference)(2021年12月4日)で発表を行った。現地での体験や、現地英語話者との交流を希望していた学生については、オンライン留学という形態に疑問を感じる語りが見られたとともに、オンラインと物理的な移動を伴う留学の実施形態の違いへの戸惑いが見られる語りがあった。「留学」という言葉の再定義の必要性や、今後のオンラインでの言語交流、国際交流につながるプログラムの分析につながる有益な情報と期待される。また、本研究の独自性として英語が第一言語ではない国々への短期留学の教育効果を論じる点がある。これに関しては、2022年2月に、シンガポールの大学と、関西にある私立大学でのオンライン国際交流会(数日間)にて、日本とシンガポールの学生の交流を観察すると共に、シンガポールの大学の教員(1名)にヒアリングを行った。シンガポールで使用されている英語についてアンケート(92名)を実施し成果を2022年度にまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象を物理的な移動を伴う留学から、オンラインによる留学に変更したことにより概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍にあり、当初の研究計画を調整する必要があったが、2021年度は、十分にインタビュー等やアンケート、実地調査を進めることができた。2022年度は研究成果をまとめ、当初の予定通り、論文執筆や投稿を行う予定である。すでに、研究の一部を反映させた論文は国際ジャーナルでレビューに回っている。また、これまでの自身の研究と本研究で得られた文献調査研究を反映させた短期留学を扱った論文についても書籍化のためにレビューに回っている。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、海外に渡航して留学の実地調査や学会発表を行う予定であったが、コロナ禍により渡航が不可能となり、オンラインでの調査や学会発表に変更したため未使用額が生じた。来年度は、コロナが収束しつつあるため国際学会に参加するための経費に、未使用額を充てる。また、結果をまとめた論文の英文校正費に充当したい。
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