2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K22273
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮崎 淳 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (40880323)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 認知機能 / 個人差 / 大規模データ / 脳機能イメージング / 機能的MRI / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳と行動の大規模データからヒトの認知機能特性の理解を目指している。ヒトは外界からの情報を受け取り、意思決定を行うために、知覚、言語、記憶、思考、問題解決などの多様な認知機能を活用している。また、個人の情報処理の仕方や、課題遂行に関わる戦略などによって活用する認知機能の傾向が変わってくる。この情報処理過程の特性は時間の経過とともに習慣的になり比較的安定すると考えられている。本研究の目的は、大規模データから探索的に認知機能の特性の実態を明らかにし、これらの特徴と脳活動の関連を明らかにすることである。 データは、Human Connectome Project(HCP)のデータベースから分析に必要なデータセットを取得した。分析は、HCPの認知機能に関する行動データ(NIH ツールボックスのワーキングメモリ課題、エピソード記憶課題、柔軟性課題、抑制機能課題、処理速度課題、読解課題、語彙理解課題)から認知機能の特性をクラスタリングした。その結果、3つのクラスターに分類され、それぞれの特徴は、(1)言語・記憶課題を得意とするパターン、(2)言語・実行機能課題を得意とするパターン、(3)処理速度・実行機能課題を得意とするパターンであることが示された。さらに、機能的MRIのワーキングメモリ課題のデータからこれらのグループ間の脳活動の比較を行った。その結果、内側前頭前野の脳活動にグループ間の違いがあることが示された。内側前頭前野は、行動選択の決定に重要な役割があるとされる領域であり、認知特性のパターンによって行動選択の基準が異なることが考えられる。
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Research Products
(6 results)