2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a self-help program to reduce rumination for the prevention of mental disorders in adolescents.
Project/Area Number |
20K22285
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神原 広平 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 助教 (70881259)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 反すう / 抑うつ / 予防 / 青年 / 自助 / セルフヘルプ |
Outline of Annual Research Achievements |
ネガティブに考え込む傾向である「反すう」は青年の抑うつ悪化の要因である。反すうを軽減する心理療法は開発されているものの、その実施には様々なコストがかかる。本研究は、このコストの問題を解決し幅広い青年に提供できる方法が必要である、という問題意識のもと、インターネットを介して提供する自助的な心理的介入法の開発を目的とした。自助的な方法とは、カウンセラー等を必要とせず、青年が自由な時間に取り組むことのできる学習教材のことを指す。この課題を解決するために、2020年度は、①反すうを測定する質問紙の改善と②介入プログラムの開発を行った。 ①の反すうの測定方法の改善については、これまでの反すうを測定する尺度の問題点を分析し、項目を改善した尺度を開発した。その尺度の妥当性を検討するために、1000人以上のサンプルに対してアンケート調査を行った。その結果、測定内容の妥当性や信頼性が担保された反すうを測定する尺度が明らかになった。①の成果については国際誌に投稿し、現時点で査読を受けている。②の介入プログラムの開発については、既存のアプローチ方法を参考にインターネットで自由にアクセスできるE-learning形式のトレーニングを開発した。研究参加を希望した60名程度のサンプルをランダムに介入を受ける群と受けない群に振り分け、実験を行っている。現在、予定しているサンプルの90%を収集しており、近日中にこの実験は完了する見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を遂行する中で、当初の研究計画では想定していなかった効果指標の問題が明らかになり対処が求められたが、効果指標の問題を改善する成果を明らかにし、国際誌に投稿し査読を受けている。また、研究1の介入方法の開発は順調に進んでおり、現時点で近日中に実験が完遂する見込みがある。以上より、当初の研究計画通りに研究が進んでおり、2021年度の研究計画を十分に遂行する見込みがあることから、区分を2のおおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究の推進方策として、6月までに研究2の介入プログラムのパイロットスタディを実施し、研究計画の精査を行う。その後、7月ごろに倫理審査委員会の承認を得る。その間に、研究1の成果を英文化し、国際誌に投稿する。8月から研究2を開始し、10月までにデータの収集を完了する。11月にかけて国内・国際学会等で発表を行い、本年度中に成果を英文化し、国際誌に投稿する。なお、 研究2で用いる介入プログラムの開発については、研究1のプログラムを一部使用する予定であるが、現時点ではそのプログラムは問題なく機能していることが確認されており、研究2の遂行に問題はないと考えられる。
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Causes of Carryover |
研究計画の研究1は、完遂に1か月以上の追跡期間があり、現在は年度をまたいで参加者のデータを収集している。参加者に支払うための謝金手続きはデータの収集後に行われ、謝金の支払いが終了していない。そのため、次年度使用額が生じている。この差額は研究1の謝金の支払いに充てられる見込みであり、それは研究計画通りの経費の使用である。
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