2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Self-Care Support Tool with Interactive System
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20K22287
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
高木 源 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (20880545)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | セルフケア / 解決志向アプローチ / 目標 / 機械学習 / 深層学習 / 自然言語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度では、就労者の目標と資源に関する文章を専門的な観点から自動的に分類するための分類器を開発し、その精度の確認を行った。就労者500名を対象として、目標に関する文章のデータを収集し、具体性と現実性の観点から数値による評価を行った。加えて、文章データを入力、それぞれの評価数値を出力として、深層学習による分類器の開発を行った。その結果、開発された分類器の精度は、目標の具体性の有無の判定で73.33%、現実性の有無の判定で64.29%の精度を示した。これらの内容について、日本ブリーフセラピー協会 第12回大会の大会企画シンポジウムにて発表した。また、目標の性質が問題解決に及ぼす影響について確認するために、大学生・大学院生320名のデータを対象として、分析を行った。その結果、目標の実現性に対する自己評価が高い人ほど、セルフケアによって問題解決の度合いが高まったことが示された。また、専門家の観点から具体性の高い目標を設定できた人ほど、セルフケアによって解決の構築が促進されたことが示された。加えて、問題が解決した後の状況に対する想像を明確にできた人ほど、セルフケアによって問題を解決する自信が高まったことが示された。以上の結果から、目標に対する評価は、自分自身によるものと、専門家によるもので異なる影響があることが示された。これらの内容について、論文を投稿し、査読を受けている。上記の研究を踏まえると、専門家の観点から目標の性質をフィードバックすることも重要だと考えられるため、専門家による評価を出力、目標の文章データを入力とする分類器の作成を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
就労者500名のデータを収集し、分類器の作成を行い、その精度を確認したため、順調に進展しているといえる。また、収集済みであったデータから、専門家の観点と自分自身の観点から目標を評価することの重要性を示し、両方の観点から目標の分類器を作成することの重要性を示した点で、順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、専門家の観点からの分類器を作成するために、専門家を対象として、収集された目標の文章に対具体性および実現性の評定を求める。併せて、専門家の観点から、提示された目標に対するフィードバックの内容について記述を求め、その分類を通して、フィードバックの内容を決定する。決定されたフィードバックの内容を、深層学習による分類器と組み合わせることによって、双方向型のセルフケアツールの実装を行っていく。
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Causes of Carryover |
国内での学会における成果発表および打ち合わせにかかる旅費がコロナ禍においてオンラインでの実施となったため。次年度において、専門的助言費(Webアプリケーション開発に関する助言)が当初予定よりも費用を必要とする見通しであるため、必要分を充当する予定である。
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