2020 Fiscal Year Research-status Report
Dynamic characteristics of predictive vision
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20K22291
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高尾 沙希 早稲田大学, 理工学術院, その他(招聘研究員) (40879996)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 予測的視覚 / 文脈効果 / 時間窓 / 視覚情報処理 / 大きさ知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間の視覚システムは、外界そのものや観察者の行動により時空間的に変化する情報入力がなされているため、それに対応するような情報の時空間的統合が行われていると考えられる。これを検討するため、研究代表者の過去の研究では同時対比が生じる刺激の文脈情報とターゲットの提示順序を操作することで、視覚情報処理における文脈効果の時間窓を明らかにしてきた。その結果、複数の視覚特徴(大きさ、傾きなど)において共通する時間窓の存在を示唆している。本研究では、この文脈効果の時間窓が少し先の未来を予測するような変化であることから、「予測的視覚」の枠組みで捉え直すことで、その仕組みの解明を目的としている。 初年度となる2020年度は、研究代表者が過去の研究において発見した文脈効果の時間窓をより広く視覚全体に応用するため、新たにいくつかの視覚特徴を加え、時間窓の検討を行った。新型コロナウィルスの影響を受け、所属機関では参加者を募集する形での実験実施が制限されていたことから、本実験のデータ取得までは叶わなかった。しかしながら、研究者自身を対象にいくつかの予備実験を行うことができたため、実験再開時には迅速な実施が可能な状況である。また、実験実施を予定していた期間には、次に実施する予定の本研究計画の中心となる実験の予備調査や刺激作成などの実験準備を先回りして実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響でデータの取得が困難であり、一部研究計画に変更が生じた。その一方で、研究代表者自身を対象にした予備実験や次に予定している実験準備などを行うことができたため、研究期間全体でみると概ね当初の予定通りの研究計画の進捗状況であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も新型コロナウィルスの影響があると考えられるが、所属大学でのデータ取得が再開可能となった時点より、すでに実施した研究者代表者自身の予備実験の結果をもとに、本実験を開始する予定である。また、得られた知見については随時、学会発表や学術論文での発表を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウィルスの影響により、データの取得や計画内容に一部変更があった。これに伴い、謝金や実験に使用するために購入予定であった物品、成果発表のための出張費などの項目について、使用額の減額により、次年度への繰越を行った。所属機関では徐々に研究活動の再開が可能となっているため、実験再開時のタイミングから本年度使用予定であった項目における支出を行う予定である。
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