2021 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental investigation of emotional inference from ambiguous emotional expressions in early childhood
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20K22295
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| Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
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Principal Investigator |
池田 慎之介 京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (60877067)
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| Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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| Keywords | 幼児期 / 感情判断 / 発達 / 発話音声 / 表情 / 曖昧な感情表出 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，3歳から5歳の幼児を対象とし，目と口が異なる感情を表す表情や，口調と言語内容が異なる感情を表す発話音声と言った曖昧な感情表出を呈示し，そこからどのように表出者の感情を判断するかを発達的に検討した。加えて成人を対象として，そうした手がかりへと注意を向ける程度と，その手掛かりを重視する程度にも関連が見られるか，補足的に検討した。まず，幼児は大人とは異なる手がかりを重視して感情を判断する傾向があった。具体的には，幼児期早期には，発話音声では言語内容を重視する傾向があり，表情では特定の手がかりを重視する傾向は見られなかったものの，成人の方がよりネガティブな手がかりを重視しやすいことが確認された。一方で，表情から感情を読み取るときにどの部位を長く見るかと言った注意の程度には，幼児と大人とで差は見られなかった。これは，幼児期から不変の潜在的処理と，発達的に変化する顕在的処理の2つの処理の存在を示唆している。更に成人において，潜在的処理と顕在的処理の間の相関関係を調べたところ，これらの間に有意な相関は見られなかった。つまり，潜在的処理と顕在的処理は独立している可能性がある。また，表情で目を重視する程度と発話音声で口調を重視する程度の間には，有意な相関が見られた。これら二つの手がかりは，いずれも，表出者の本当の感情が表れやすいものである。このことから，どの手掛かりを重視するかと言った顕在的な処理は，単に特定の部位や要素に注目しているだけではなく，他者の本当の感情を知ろうとするような動機づけが背景にある可能性が示唆された。
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