2020 Fiscal Year Research-status Report
Applications of periodic orbits in Hamiltonian dynamics and persistence modules
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20K22302
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
折田 龍馬 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30874531)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | シンプレクティック多様体 / フレアー理論 / ハミルトン周期軌道 / パーシステント加群 / R群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,GG予想「任意の閉シンプレクティック多様体のハミルトン微分同相写像は、非可縮周期軌道を少なくとも1つ持てば無限個持つ」を扱っている。シンプレクティック多様体とは,多様体に非退化で閉な2次の微分形式(シンプレクティック形式)が付随したものである。 本研究は特に,シンプレクティック多様体に課す「1. 基本群の条件」及び「2. シンプレクティック形式」の条件を精査することで,GG予想の解決に迫るものであった。GG予想はこれまでに以下の流れで肯定的に解決されていた:シンプレクティック多様体が非トーラス状であるとき(Gurel),トーラス上単調であるとき(Ginzburg-Gurel),2n次元トーラスであるとき(Orita),基本群が仮想的R群であるような単調シンプレクティック多様体に対して(Orita)。 初年度は「1. 基本群の条件」に着目した。具体的には,R群と,type N の torsion-free な群が同値な概念であることを示した。type N の torsion-free な群は主要群であるため,Bredonコホモロジーを援用できるなどの道筋ができた。 また,単調シンプレクティック多様体とは,シンプレクティック形式 ω(の de Rham コホモロジー類)と第一Chern類 c_1 が2次ホモトピー群上で比例関係にあるときをいう。つまり,ある実数λが存在し,2次ホモトピー群上で [ω]-λc_1 が 0 となる。初年度はこのコホモロジー類 [ω]-λc_1 の n 回カップ積を,多様体の次元が 4 であるときに調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基本群の条件を精査するために,群論やコホモロジー論の概念を整理するのに想定外の時間を要してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年2月に公開されたプレプリント[1]は,GG予想を弱単調シンプレクティック多様体に対して基本群に対する条件なしに解決したと主張している。したがって,本研究の目標をGG予想の解決そのものから変更する。つまり,申請書に記載の通り,与えられたハミルトニアン H に対するパーシステント加群のバーコード B(H), B(kH) を比較することを目標とする。 これまでの研究により,R群であることと torsion-free の type N の群であることが同値であることがわかった。特に,主要群と呼ばれるクラスに属する。主要群であれば,Bredon コホモロジーを用いることにより,基本群のコホモロジーの標準類 (canonical class) を把握することができると考えている。
[1] Y. Sugimoto, On the Hofer-Zehnder conjecture for non-contractible periodic orbits in Hamiltonian dynamics, arXiv:2102.05273
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Causes of Carryover |
22円の端数を処理するのが難しかったため。
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Research Products
(3 results)