2020 Fiscal Year Research-status Report
Lefschetz-Bottファイバー空間による凸シンプレクティック多様体の研究
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20K22306
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大場 貴裕 京都大学, 理学研究科, 助教 (50814464)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | Lefschetz-Bottファイバー空間 / シンプレクティック幾何学 / シンプレクティック多様体 / 複素多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,Lefschetz-Bottファイバー空間というファイバー構造を用いた凸シンプレクティック多様体の研究を開拓することである.具体的な目的として以下の2つを掲げている:(目的1)Lefschetz-Bottファイバー空間を許容する凸シンプレクティック多様体を解明する.(目的2)Lefschetz-Bottファイバー空間を許容する多様体のシンプレクティック構造の性質を明らかにする.以下では目的別に研究実績を記す. (目的1):複素孤立特異点の特異点解消上,正規交叉因子の近傍上にLefschetz-Bottファイバー空間を構成することを計画していた.関連する論文をMyeonggi Kwon氏(Sunchon National University)と読み進め,構成のアイデアを得ることができた.Lefschetz-Bottファイバー空間の候補となる写像はすでに与えており,現在は実際にLefschetz-Bottファイバー空間であることの証明を試みている.また,特異点解消などについて知識を得る過程で,Lefschetz-Bottファイバー空間がシンプレクティック多様体の写像類群への応用を持つことを見出した.これは現在単著論文としてまとめており,次年度の前半にarXivに投稿予定である. (目的2)シンプレクティックホモロジーというシンプレクティック多様体の不変量の計算法をLefschetz-Bottファイバー空間に対し確立することを計画した.Kwon氏とともに研究を進めており,まずは一般の凸シンプレクティック多様体の場合に考察しており,ハンドルの接着に関する振る舞いについて結果を得た.適用範囲が狭いため,その結果の改良をしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上で記したように,当初の研究計画に従って目的1,目的2の研究でそれぞれ進展があったためである.とくに,目的1の研究からは論文としてまとめられる研究が完成したこともこの評価の理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究実施計画に従って研究を進め,それぞれの研究を完成させ論文としてまとめる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により出張を行わなかった.それにより旅費の支出がなく,次年度使用額が大きく生じた.次年度の後半には新型コロナウィルスの影響が緩和されていると予想し,研究協力者のもとへ数週間の滞在を計画している.
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Research Products
(6 results)