2022 Fiscal Year Annual Research Report
Infinite dimensional geometry of Kac-Moody groups and integrable systems
Project/Area Number |
20K22309
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
森本 真弘 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (60880747)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | Kac-Moody対称空間 / path空間 / Kac-Moody群 / 固有フレドホルム部分多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度に得られた研究結果の更なる拡張及びaffine Kac-Moody対称空間との関係について研究した. 昨年度は「Hermann作用」と呼ばれる等長作用から誘導されるpath群作用の軌道の幾何学について研究した.このpath群作用は,affine Kac-Moody対称空間のイソトロピー表現に相当するものであった.Hermann作用の中でも特に「シグマ作用」と呼ばれる等長作用を考えたとき,それから誘導されるpath群作用は,affine Kac-Moody対称空間の群型,つまりaffine Kac-Moody群の随伴作用に相当することが知られている.本年度は,このシグマ作用から誘導されるpath群作用の軌道の幾何学に対して,昨年度の研究結果を拡張した.その過程において,報告者は,path空間の間の特殊な同型写像を導入し,それを用いて固有フレドホルム部分多様体の主曲率に関する既存の全ての計算結果を統一理解できることを示した.更に,この同型写像が,affin Kac-Moody対称空間の間の同型写像と対応することも示した.これらの研究成果を1つの論文Path group actions induced by sigma-actions and affine Kac-Moody symmetric spaces of group typeにまとめ学術誌に投稿し,現在査読中である. 研究期間全体を通して,上述の通り,無限次元部分多様体論とKac-Moody幾何学とを更に強く結びつける重要結果を得た.当初計画した可積分系理論への応用までには至らなかったが,本研究は他分野の研究者からも関心も高く,特に2022年7月には可積分系理論の専門家から招待を受けて講演を行った.本研究は,今後Kac-Moody群や関連分野を研究する上で,土台となる意義のある研究になったと考えている.
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Research Products
(13 results)