2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical Analysis of the incompressible viscous fluid with the moving contact line
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20K22311
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邊 圭市 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (30875365)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / 自由境界問題 / 最大正則性 / 関数方程式論 |
Outline of Annual Research Achievements |
接触角を生成するナビエ・ストークス方程式の自由境界問題の定式化および数学解析に対する理解を深めるために,Jurgen Saal 教授と共同で国際研究集会 "Germany-Japan Workshop on Problems Related to Free Boundaries and Moving Contact Lines" を開催した.この国際研究集会を通じて,研究代表者がこれまでに行った接触角を生成するナビエ・ストークス方程式の自由境界問題の定式化に改良の余地があることがわかった.実際に,これまでに様々な定式化がなされてきたが,Fricke ら (2019) の論文にて指摘された「接触角付近における圧力の弱特異性」を含む定式化がこれまでのところなされていないことがわかった.この「接触角付近における圧力の弱特異性」を含む数理モデルの定式化を目指し,研究代表者は現在も引き続きこの定式化を試みている.また,並行してこの自由境界問題の数学解析の手法の開発にも取り組み,重み付きのソボレフ空間を用いることで接触角付近に生じる特異性をある程度回避できることがわかった.しかし,研究計画に記述した,時間依存の接触角を生成する方程式系の時間局所適切性の証明には至っておらず,この点において具体的研究成果はまだ出ていない.
関連する研究として,ナビエ・ストークス方程式の自由境界問題非自明な定常解の安定性の証明に取り組んだ.特に,軸対称な定常解の安定性は,定常状態における自由境界を決定するオイラー・ラグランジュ方程式に付随するエネルギー汎関数の二次変分の正値性によって特徴づけられることがわかった.この研究成果は1800年代の Plateau の古典的結果(参考:Appell (1932))を正当化する大変興味深いものである.この研究成果は単著論文としてまとめ,現在国際学術誌に投稿中である.
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Research Products
(7 results)