2020 Fiscal Year Research-status Report
特異点のCox実現に付随する不変Hilbertスキームの研究
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20K22313
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保田 絢子 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (50875408)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 不変ヒルベルトスキーム / 特異点解消 / コックス環 / 冪零軌道 |
Outline of Annual Research Achievements |
代数多様体の簡約代数群の作用による幾何学的不変式論商は、一般に特異点を持つ。本研究の主な対象である不変ヒルベルトスキームは、商多様体への自然な射 (ヒルベルト・チャウ射) によって商特異点の特異点解消の候補となる。ヒルベルト・チャウ射はその構成法より特異点の商多様体としての表し方に依存し、表し方を変えればそれに伴い射の様相も異なってくる。一方、 与えられた多様体を幾何学的不変式論商として構成する方法は原理的には無数に存在するため、 「特異点を幾何学的不変式論商として記述する方法の中で、付随するヒルベルト・チャウ射が良い双有理変換となるような記述は何か」という問いは自然である。本研究では、特異点をそのコックス環のスペクトラムの幾何学的不変式論商として記述する方法 (コックス実現) に着目した。 具体的な特異点のクラスとしては半単純リー代数の冪零元の随伴作用による軌道の閉包 (冪零軌道閉包) を扱い、昨年度はA型極小冪零軌道閉包のコックス実現に付随する不変ヒルベルトスキームの計算を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症の影響による研究環境の変化によって研究の遂行が滞っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で要となるのは特異点のコックス環の次数環としての構造を明らかにすることであるが、昨年度の研究により、標準ヤング盤の言葉による見通しの良い記述が可能であるという予想が立った。そこで今年度は、その方針に沿って研究を進める。
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Causes of Carryover |
感染症の影響により、当初参加を予定していた学会等が中止またはオンライン開催に変更となったため。
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