2023 Fiscal Year Annual Research Report
2次元結び目とYang-Millsゲージ理論について
Project/Area Number |
20K22319
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 正樹 京都大学, 理学研究科, 助教 (30880520)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 2次元結び目 / Seifet超曲面 / Yang-Millsゲージ理論 / インスタントンFloer理論 / コンコーダンス / 向き付け不可能曲面の4次元空間への埋め込み |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 2次元結び目のSeifert超曲面と結び目群の関係をYang-Millsインスタントンゲージ理論を用いて調べることがその主題であった. その主要な道具として, ホモロジー3球面に対してYang-Millsインスタントンゲージ理論を用いて定義される不変量 r_sを用いた. この不変量 r_sに対して, 次の二つの一般化を得た: ・結び目に対する r_s不変量, および, インスタントンFloer理論から得られる様々な不変量の定式化 ・3次元多様体の1-parameter族に対するr_s不変量の定式化 前者は, Daemi, Imori, Sato, Scadutoとの共同研究であり, 後者はAlferi, Dai, Mallickとの共同研究である. これらを用いて境界付き2次元結び目, すなわちコンコーダンスへの応用や, 向き付け不可能な境界付き2次元結び目への応用を与えた. これらの論文はすでにarXivにアップロードしており([arXiv:2209.05400], [arXiv:2309.02309], 現在両者国際誌に投稿中である. また, 前者の結び目に対する理論展開は, 結び目の手術に対して既存の理論の計算を進めるものであり, quasipositive結び目・alternating結び目に対する手術に対するインスタントンFloer理論を計算を部分的に可能にした. これによりそのような3次元多様体をSeifert超曲面に持つ2次元結び目の結び目群ついてもその複雑さを下から評価できることになる.
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