2020 Fiscal Year Research-status Report
電磁探査法による地下流体の4Dイメージング技術の開発
Project/Area Number |
20K22326
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石須 慶一 東京工業大学, 理学院, 研究員 (80880054)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | 電磁探査 / 4Dイメージング / 地下流体 / モニタリング / 逆解析 / 比抵抗 / 時空間変化 / 物理探査 |
Outline of Annual Research Achievements |
地下流体の空間分布のみならず,その時間変動を捉えることができる技術が,地球資源を利用する様々な分野で必要とされている。本研究は,電磁探査法に着目し,地下流体の時空間(4D)分布を非破壊で算出できる技術を開発することを目標にしている。ここで,4Dとは3次元地下空間およびその時間変化を含んだものを意味する。この研究目標を達成するために,以下の2つの取り組みを行っている。①電磁探査4Dイメージングソフトウェアの開発,②時間変動を捉えることができる高精度電磁観測システムの確立。この2つの取組みに関しての昨年度の実績を以下にまとめる。 ①電磁探査4Dイメージングソフトウェアの開発:昨年度は,ソフトウェアの開発を進めた。4Dイメージングソフトウェアの核となる3Dイメージングソフトウェアを完成させることができた。計算時間を削減するため,データスペース変換を本ソフトウェアに適用した。仮想データと観測データへこの3Dイメージングソフトウェアを適用し,その有効性の確認を行った。 ②時間変動を捉えることができる高精度電磁観測システムの確立:地下流体の時間変化を捉えるためには,高精度に電磁場レスポンスを観測する必要がある。高精度観測のために,人工送信源を用いた電磁観測システムを構築した。一方,受信機側においても,受信機を地下に埋めて固定することで,設置に関するノイズや誤差の発生を抑制する工夫を行った。観測は,地下流体が時間変化していることが予測されている草津白根火山で行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電磁探査4Dイメージングソフトウェアの開発を進め,また観測データを取得できたため。これらの進捗は,当初の予定通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の目標としては,電磁探査4Dイメージングソフトウェア開発を完了し,本ソフトウェアを用いて,地下流体の時空間変化を明らかとすることである。ソフトウェアの核となる3Dイメージング技術はすでに完成させたため,今後は時間変化を考慮できるものへと拡張を行う。また,野外観測については,昨年度実施した調査を本年度も繰り返し実施する。昨年度・本年度のデータセットに,本ソフトウェアを適用し,草津白根火山での地下流体の時空間変化を解明し,火山の理解に役立てる。一方,本技術を草津白根火山のみならず,地熱モニタリングに適用することも予定している。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルスの感染拡大により,昨年度は出張を減らす必要があり,この差額が生じた。昨年度に削減した出張を本年度に割り当てる予定である。
|
Research Products
(3 results)