2021 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起スピン波を利用したスピン流‐電流変換現象の制御
Project/Area Number |
20K22327
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 貴大 東京工業大学, 理学院, 助教 (40874722)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | スピン波 / 磁気光学効果 / スピン流-電流変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フェムト秒光パルスの照射により生じるスピン波を電気的に検出する手法を確立することであった。この目的は昨年度に達成したため、光パルスの強みを生かしたスピン流-電流変換現象の実現が本年度の目的であった。 本年度は、測定配置を改善し、フェムト秒光パルスをPt/Gd4/3Yb2/3BiFe5O12(GdYb-BIG)に照射した際に生じる電流をオシロスコープで測定した。主な改善としては、ケーブルやアンプを高周波測定に適したものに交換し、導波路の再設計を行った。改善の結果、数ナノ秒程度で緩和する電流を明瞭に観測できるようになった。得られたスピン流密度は、コヒーレントなスピン波からのスピンポンピング単体では説明できないほど大きい。電流は、偏光に依存しないが、光の照射位置に敏感である。Pt電極に光が重なる場合にのみ有意な電流が生じる。使用波長(800 nm)ではGdYb-BIGよりもPtの方が光を強く吸収するため、光パルスにより誘起されたコヒーレントなスピン波だけでなく、Pt/GdYb-BIG界面の熱勾配がスピン流生成に寄与している可能性がある。連続光を用いた他の手法と比較しても本研究で得られたスピン流密度はずっと大きく、光-スピン流変換の新たな知見が眠っている可能性がある。機構解明を目指して引き続き実験を行っていく予定である。
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