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2020 Fiscal Year Research-status Report

Ultra-high pressure element partitioning at core formation conditions investigated by SIMS imaging

Research Project

Project/Area Number 20K22363
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田川 翔  東京大学, 大学総合教育研究センター, 特任助教 (60882826)

Project Period (FY) 2020-09-11 – 2022-03-31
Keywords超高圧・高温実験 / 二次イオン質量分析法(SIMS) / コア-マントル分離 / メタル-シリケイト分配 / ダイヤモンドアンビルセル(DAC)
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、地球型惑星の形成期におきた、「溶融鉄とマグマオーシャン間の元素分配」に着目し、地球の起源物質の推定を行うことにある。これまで、コア-マントルの分化条件 (約50 万気圧・3500 K)における知見は、試料の微小さ・希薄な濃度ゆえに限られていた。特に、電子顕微鏡を用いた従来の研究手法では、起源物質の制約に繋がる揮発性の軽元素や微量金属元素の定量が難しい。
そこで本研究では、レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセルを用いた超高圧・高温実験と、結像型二次イオン質量分析装置による分析を組み合わせ、これまで困難とされてきた揮発性の軽元素や微量元素の分配を決定する。そして、コア形成モデルの計算コードを構築し、地球の起源物質の制約を目指す。
初年度である令和2年度は、実験の技術構築、出発物質の用意、コア形成モデルの計算コードの改善を行った。コロナ禍の中、リモートでの作業が増加したものの、微量金属元素の分配実験を行う技術構築は終えることができた。さらに、コア形成モデルの計算コードを改良し、水素の分配実験の結果から、地球核に存在する水素量を制約した(Tagawa et al. 2011 Nat. Com.)。
コア形成モデルの計算を行うと、コアーマントル分離後に700ppmの水をマグマオーシャンに残す場合(これは、現在の海水+マントルの含水量の最低値をマグマオーシャンに戻した場合の水の濃度に相当)、コアには3,000ppmから6,000ppmもの水素が取り込まれることがわかる。また、火星など地球の1/10以上の質量をもつ岩石型惑星においても、同様に水素がコアに取り込まれた可能性が高い。本研究の結果は、酸化的な天体(eg. C型小惑星)が地球の起源物質になりえた可能性を示唆する。次年度は、微量金属元素の分配実験を行うことで、地球の起源物質のさらなる制約を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

初年度である令和2年度は、実験の技術構築、出発物質の用意、コア形成モデルの計算コードの改善を行った。特に、実施上でのボトルネックであった、超高圧での分配実験を行った試料を結像型二次イオン質量分析装置へ設置する手順を改善し、15試料以上の分析を一度に行えるようになった。先行研究では、分析の困難さから、5~6点程度でデータを得ている場合が多く、また、「微量」元素の実験をする場合にも、定量精度を担保するためにその元素種が高濃度、出発物質に含まれている場合が多かった。今回の手順の改善は、上記2つの先行研究の問題を解決し、「溶融鉄とマグマオーシャン間の元素分配」を実施する上でのブレイクスルーとなっている。
また、コア形成モデルの計算コードを改良し、それを地球核の水の量の見積もりに応用した。
更に、結像型二次イオン質量分析装置による分析とコア形成モデルの計算コードを組み合わせた研究成果を、論文に掲載した(Tagawa et al. 2011 Nat. Com.)。
コロナ禍の中、リモートでの作業が増加し、分析の実施に遅れが出たものの、実験やコードの技術構築を概ね完了することができ、大きな進展があった。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度の成果を踏まえ、令和3年度に取り組むのは、次の2点である:
1、マントルや核物質中の揮発性元素量の推定を行う、2、他の微量元素(リン、ニオブ等)についての溶融鉄とマグマオーシャン間の元素分配の実験を行う。また、今年度の研究より、水が重要であることがわかったため、含水試料での実験も行う。
前者については、地球の起源物質の種類の推定、後者については、コア-マントルの分化条件の理解の深化に繋がる。
コロナ禍による分析日数の減少が懸念されるものの、いずれの研究においても、令和2年度に開発した技術を応用することで、達成可能と見込む。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Experimental evidence for hydrogen incorporation into Earth’s core2021

    • Author(s)
      ShohTagawa, NaoyaSakamoto, KeiHirose, ShunpeiYokoo, JohnHernlund3 YasuoOhishi, HisayoshiYurimoto
    • Journal Title

      Nature Communications

      Volume: 12 Pages: -

    • DOI

      10.1038/s41467-021-22035-0

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Remarks] 【プレスリリース】地球コアに大量の水素~原始地球には海水のおよそ50倍の水~

    • URL

      https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2021/7309/

URL: 

Published: 2021-12-27  

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