2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-high pressure element partitioning at core formation conditions investigated by SIMS imaging
Project/Area Number |
20K22363
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 翔 東京工業大学, 地球生命研究所, 特任助教 (60882826)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 超高圧・高温実験 / 二次イオン質量分析法(SIMS) / コア-マントル分離 / メタル-シリケイト分配 / ダイヤモンドアンビルセル(DAC) / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である令和3年度は、リンの金属(コア)-シリケイト(マグマオーシャン)間の分配実験、水と他の軽元素を含んだ系での分配実験、並びに、コア形成モデルの計算プログラムの改善に取り組んだ。特に、結像型の二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて超高圧での分配実験の試料を分析する手法は洗練され、多数の実験データを収集できた。本研究で得られたデータセットは、地球の起源物質の推定に資するものであり、低濃度である点と元素間の排他性を評価できる点から新規性があるものである。今後、本結果をまとめ、論文化を進める。 また、分配実験の結果を解釈し、地球の起源の考察につなげる上で不可欠となる、コア形成モデルの計算プログラムについても、改良を進めた。特に、Python + Scipyにてプログラムを実装し汎用性を増すとともに、遺伝的アルゴリズム(DEAPライブラリ)を組み合わせたプログラム群を構築した。これにより、広範囲のパラメタから地球の起源物質を議論する仕掛けを作った。 また、昨年度に得られている、「地球核に水素が存在するのではないか(Tagawa et al. 2021 Nat. Com.)」という仮説を検証するために、Fe-H系の状態方程式・融点・安定相関係に着目したデータをまとめた。 コロナ禍により研究の進行に遅れが出たり、検証する元素種を変更したりしたものの、揮発性元素・微量元素の地球コア分化条件での、実験技術開発・プログラム構築という目標は達成された。今後、本研究での成果を用いて研究を発展させたい。
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