2021 Fiscal Year Annual Research Report
シリカ鉱物を用いた隕石の熱史の定量的な制約手法の開発
Project/Area Number |
20K22370
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
大野 遼 千葉工業大学, 附属研究所, 研究員 (10880320)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 隕石 / シリカ鉱物 / 冷却速度 / メソシデライト / 熱史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、シリカ鉱物が示す幅広い温度領域での冷却速度を定量的に見積もるため、メソシデライト隕石であるNWA1878およびVaca Mueruta(VM)中に含まれるシリカ鉱物の詳細な観察およびシリカ相の同定を行った。NWA1878には高温から比較的速い冷却速度(0.1-0.01 ℃/hr)を経験したことを示唆するクリストバライトと石英の集合体が見つかっている。VMには400℃以下で非常に遅い冷却速度(約0.0001 ℃/yr)を経験したことを示す単斜晶系トリディマイトが見つかっている。本研究では以上のメソシデライトに加え、近年発見された未グループの分化隕石Erg Chech (EC)002隕石中のシリカ鉱物についても詳細に分析を行い、メソシデライト中のシリカ鉱物との比較を行った。NWA 1878およびVMはそれぞれ輝石の離溶ラメラとFe-Niメタルから冷却速度が0.01℃/dayと10^-7℃/yrと見積もられている。Fe-Niメタルは500℃以下の低温領域での冷却速度を示しているため、本研究のシリカ鉱物の分析結果は整合的であったといえる。一方で、NWA1878の結果と冷却速度から、クリストバライトからトリディマイトへの相転移は0.01℃/dayの冷却速度では起こらないことが推測される。また、EC002にはクリストバライトとトリディマイトの集合体の存在が報告されており、冷却速度は0.003-0.014℃/dayと見積もられている。以上のことから、クリストバライトがトリディマイトに相転移する冷却速度は0.003-0.01℃/day以下であることが示唆された。以上のように、本研究によってシリカ鉱物が輝石などと同様に隕石の冷却速度推定に利用可能であることが示された。
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[Presentation] Shock recovery of rocks with a variety of shock-induced pressure at a single shot2022
Author(s)
Haruka Ono, Kousuke Kurosawa, Takafumi Niihara, Takashi Mikouchi, Hidenori Genda, Naotaka Tomioka, Tatsuhiro Sakaiya, Tadashi Koundo, Masahiro Kayama, Mizuho Koike, Yuji Sano, Wataru Satake, Takafumi Matsui
Organizer
Europlanet Science Congress 2021
Int'l Joint Research
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[Presentation] Shock Recovery of Macro Blocks of Rocky Materials with Decaying Shock Waves2021
Author(s)
K Kurosawa, H Ono, T Niihara, T Mikouchi, T Sakaiya, T Kondo, N Tomioka, H Genda, T Tada, R Tada, M Kayama, M Koike, Y Sano, T Matsuzaki, M Murayama, W Satake, T Okamoto, T Matsui
Organizer
84th Annual Meeting of The Meteoritical Society 2021
Int'l Joint Research