2021 Fiscal Year Research-status Report
衛星重力データと固体地球応答モデルを用いた南極域バルジの形成・崩壊の検出
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20K22372
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
入江 芳矢 国立極地研究所, 研究教育係, 特任研究員 (30881015)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | GRACE / GIA / 南極 |
Outline of Annual Research Achievements |
南極氷床は、近年の地球温暖化により、融解が加速している。その氷床変動は、重力観測衛星(GRACE)によって重力場変動として観測されている。しかし、重力場変動は、氷床質量変化による成分に加えて、最終氷期以降の氷床融解(約2万年前から7千年前)に伴う固体地球の粘弾性応答(GIA)による成分を含んでいる。このGIAを評価するためには、南極域における地球内部粘弾性構造と最終氷期以降の氷床融解史が必要となる。 南極は東西で地震波速度構造の不均質が確認されている。東南極下では、地震波が比較的高速度であることが確認されており、西南極と比較して厚いリソスフェアが示唆されている。一方、西南極下では、地震波が比較的低速度 であることが確認されており、上部マントルに低粘性の領域が存在すると考えられている。 当該年度は、南極域における地球内部粘弾性構造を考慮して、GIAの数値シミュレーションを用いて重力場の時空間変動を評価した。地球内部粘弾性構造について広範囲なパラメータ領域で計算を展開した結果、リソスフェアの厚さと上部マントルの粘性率の間にトレードオフが存在することが明らかとなった。また、南極域におけるGIAに伴う重力場変動では、空間スケールが数千キロメートルの長波長成分が卓越することが明らかとなった。これらの結果から、地震学的に推定されている南極域における地球内部粘弾性構造の東西不均質は、重力場変動に基づく南極氷床質量変化の評価にあまり影響しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GIAの数値シミュレーションを用いて南極域における重力場の時空間変動を評価した。その研究成果をとりまとめ、Scientific Assembly of the International Association of Geodesy、測地学会およびSymposium on Polar Scienceで発表した。しかし、当初予定していた国際誌への投稿が間に合わなかった。国際誌への投稿は現在準備中であり、研究期間を令和4年度までに延長したため、十分遂行できると見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で明となったGIAによる南極重力場変動の地球内部粘弾性構造依存性について論文にまとめ国際誌へ投稿する。並行して、本研究課題を遂行する上で新たに開発したGIAの数値計算手法についても論文にまとめ国際誌へ投稿する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国際誌への投稿が間に合わなかったためである。繰越した助成金については令和4年度に論文校閲費と投稿費として使用する計画である
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Research Products
(3 results)