2021 Fiscal Year Research-status Report
Observational study of star-formation and chemical enrichment in the youngest galaxies
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20K22373
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
中島 王彦 国立天文台, 科学研究部, 特任助教 (80875534)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 化学進化 / 星形成 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
初代銀河に相当する非常に金属量の低い銀河を観測・理論的に探るプロジェクトを率いることで、未だ多くの謎が残されている銀河形成の最初期段階の研究を牽引する。 2021年度には、初年度に機械学習を用いて選んだ低金属量銀河候補天体を対象に自身のPIプログラム等により深い分光観測を行い、新たに多くの低金属量銀河を発見することに成功した。これらの新天体に加え、これまでに知られている低金属量銀河を合算することで、最も大きな低金属量銀河サンプルを構築した。研究代表者は、このサンプルを元に低金属量範囲で最も正確な金属量指標を確立し、その成果を自身の筆頭著者論文として国際査読誌へ提出している。本成果はJames Webb宇宙望遠鏡で取得される遠方銀河の分光データを解釈し物理的性質を理解する上で重要な役割を果たすと期待される。 更には、研究協力者とともに進めている低金属量銀河の面分光観測プログラムによって得られたデータを解析することで、空間的に銀河のガスの性質を研究している。これによって、銀河の成長とともに化学進化がどう進むのか迫る。本成果は自身が筆頭著者となり査読論文へまとめている。 また、研究代表者は2021年度に本研究課題に関して3度の招待講演を行った。2年ぶりに開かれた国際研究会では、自身の最新の成果を発表するとともに、銀河形成に関する理論・観測的研究者と直接議論し自身の研究へ反映させることができた。国内の将来観測検討会においては、より遠方の宇宙で低金属量銀河探査を行うことの意義、その実現可能性について広く周知することができた。 当初の研究計画に従って順調に研究を進めるとともに、研究会等における研究成果の発信にも尽力した。面分光観測プログラム等の新たな研究発展もあったため、本課題は1年期間を延長し、次年度にて完遂させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際競争によって大型の望遠鏡観測時間の獲得に成功し、多くの天体を新たに同定することに成功した。観測結果に基づく筆頭著者論文も国際査読誌へ提出済みで、2度の査読レポートへも返信済みである。また、研究協力者とともに進めるすばる望遠鏡の極低金属量銀河の面分光観測プログラムにより、銀河内部の金属や星の分布を探る研究をリードしている。研究会へも積極的に参加し、本研究課題で得られた成果を発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
極低金属量銀河の面分光観測プログラムによって得られる銀河内部の金属や星の分布を探る研究を自身の筆頭著者論文としてまとめる。 近傍の低金属量銀河によって得られた分光学的研究手法をJames Webb宇宙望遠鏡で得られる遠方銀河の分光データ(国際競争を促すため即時公開される)に適用することで、初期宇宙における銀河の化学進化等の詳しい性質に観測的に迫る。本成果を速やかに論文化する。 また、2021年度に引き続き、若い銀河の観測・理論双方の研究者を集めた研究会を組織委員メンバーとして開くことを計画している。双方の研究の現状を把握しあい、初期の星形成・化学進化を明らかにする上で鍵となる観測的アプローチを理論研究者とともに議論し、観測提案へと発展させることを目指す。
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Causes of Carryover |
研究協力者とのミーティングや研究会等への参加(旅費)がコロナの影響で当初の予定より大幅に無くなったため。国際研究会が再開され始めたため、その旅費に充てる。 また、Apple社の購入予定の計算機が近々大幅にアップグレードされる予定であるため、次年度に購入する計画へ変更した。
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[Journal Article] EMPRESS. IV. Extremely Metal-poor Galaxies Including Very Low-mass Primordial Systems with M* = 10^4-10^5 Msun and 2%-3% (O/H): High (Fe/O) Suggestive of Metal Enrichment by Hypernovae/Pair-instability Supernovae2022
Author(s)
Y. Isobe, M. Ouchi, A. Suzuki, T. Moriya, K. Nakajima, K. Nomoto, M. Rauch, Y. Harikane, T. Kojima, Y. Ono, S. Fujimoto, A. K. Inoue, J. H. Kim, Y. Komiyama, H. Kusakabe, C.-H. Lee, M. Maseda, J. Matthee, L. Michel-Dansac, T. Nagao, T. Nanayakkara, M. Nishigaki, M. Onodera, Y. Sugahara, Y. Xu
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 925
Pages: 111
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] SILVERRUSH X: Machine Learning-aided Selection of 9318 LAEs at z = 2.2, 3.3, 4.9, 5.7, 6.6, and 7.0 from the HSC SSP and CHORUS Survey Data2021
Author(s)
Y. Ono, R. Itoh, T. Shibuya, M. Ouchi, Y. Harikane, S. Yamanaka, A. Inoue, T.Amagasa, D. Miura, M. Okura, K. Shimasaku, I. Iwata, Y. Taniguchi, S. Fujimoto, M. Iye, A. Jaelani, N. Kashikawa, S. Kikuchihara, S. Kikuta, M. Kobayashi, H. Kusakabe, C. Lee, Y. Liang, Y. Matsuoka, R. Momose, T. Nagao, K. Nakajima, K. Tadaki
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 911
Pages: 78
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] EMPRESS. II. Highly Fe-enriched Metal-poor Galaxies with ~1.0 (Fe/O)sun and 0.02 (O/H)sun: Possible Traces of Supermassive (>300 Msun) Stars in Early Galaxies2021
Author(s)
T. Kojima, M. Ouchi, M, Rauch, Y. Ono, K. Nakajima, Y. Isobe, S. Fujimoto, Y. Harikane, T. Hashimoto, M. Hayashi, Yu. Komiyama, H. Kusakabe, J. H. Kim, C.-H. Lee, S. Mukae, T. Nagao, M. Onodera, T. Shibuya, Y. Sugahara, M. Umemura, K. Yabe
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 913
Pages: 22
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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