2020 Fiscal Year Research-status Report
Vector-Strain Transformation for Control and Analysis of Next-Generation Deployable Structures
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20K22378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 啓介 東北大学, 工学研究科, 助教 (20881189)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 柔軟展開構造物 / 流体構造連成 / 空力弾性 / 非線形有限要素法 / マルチボディダイナミクス / マルチフィジックス / 風洞実験 / 制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
展開翼を有する衛星航空機や高出力大型風車,宇宙・炉心探査用ロボットアームなどの全長数10 mから100 mに及ぶ次世代構造物を展開するためには,実運用中にリアルタイム計測される変形量と数値モデルを用いて,大変形を許容内に収める制御,および高効率な変形解析による制御性能の事前評価の2つが必要となる.制御に適した数学モデルとはできるだけ少ない変数かつ計測しやすい変数で記述できる物である. 細長形状に着目して申請者が見出した独自の【ベクトル・歪変換式】をこれまでの研究で提案してきたベクトルモデルに適用することで,計測しやすい歪モデリング法を構築した.さらに,制御に向けて大変形の表現性能を維持しつつ,少ない変数記述に変換するモデル低次元化法を提案した. ①提案した歪モデリング法を解析プログラムに実装し,まずは変形解析性能の評価を行った.静的変形解析において,提案手法は従来手法よりも90%以上短い解析時間を達成した. ②提案するモデル低次元化法を解析プログラムに実装した.その結果,動的変形解析においても提案手法は従来手法よりも90%以上短い解析時間を達成した. ①②の研究成果をアメリカ機械学会誌Transactions of ASMEで公表した. さらに,ベクトルモデルと歪モデル双方の利点を活用することで,シンプルかつ計算効率の高い展開ジョイントモデリング理論を完成させた.この理論は開ループのヒンジ,ユニバーサル,ボールを有するジョイント構造物(直鎖構造)に適用できるだけでなく,従来困難であった閉ループのジョイント構造物(円環構造)にも適用できる高い汎用性を有している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた「歪モデリング法」の構築を完了したため.さらに,制御に向けたモデル低次元化も達成し,静解析と動解析の双方において,高効率かつ高精度な解析ができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
制御系設計に向けた提案モデルの状態空間表現を行う.制御性能実証のために,大規模な構造物の展開実験を計画していた.しかし,コロナ対応のために今後は提案手法の改良と数値解析での性能評価に注力する方策に変更する.具体的には提案する歪モデルで演算されるトルクを制御入力とし,大変形解析用のベクトル変数モデルを用いて,数値解析を行う.数値解析だからこそできる予期せぬ外乱やノイズが無い理想的な状況での制御性能(消費エネルギ,即応性など)を明らかにする.
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Causes of Carryover |
コロナのため,研究成果公表の学会参加がオンラインになり,旅費が不要になったため.実験よりも解析に注力する方策の変更に合わせて,解析に必要な計算資源の購入に充てることを計画している.
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Research Products
(12 results)