2021 Fiscal Year Annual Research Report
Vector-Strain Transformation for Control and Analysis of Next-Generation Deployable Structures
Project/Area Number |
20K22378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 啓介 東北大学, 工学研究科, 助教 (20881189)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 柔軟展開構造物 / 流体構造連成 / 空力弾性 / 非線形有限要素法 / マルチボディダイナミクス / マルチフィジックス / 風洞実験 / 制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
展開翼を有する衛星航空機や高出力大型風車などの全長数10 mから100 mに及ぶ次世代展開・変形を制御するためのモデル構築を行った.前年度は,ベクトル変数から変形制御に適した歪変数に変換するモデリング法を構築した.この歪モデルを展開構造に適用するには展開パーツ同士のジョイント拘束を表現する必要がある.しかし,拘束されるのは「歪」ではなく「位置ベクトル」や回転を表す「方向ベクトル」であるため,歪モデルの展開構造への適用は困難という問題があった.最終年度は,以下2つの方法を導入することで,展開パーツ同士を繋ぐジョイント拘束の表現を可能にし,この問題を解決した. 【方法1:ベクトル・歪変換式を利用したジョイント拘束表現】 まず,歪に変換する前のベクトル変数の段階で,ジョイント拘束式を定義した.このベクトル変数で記載されたジョイント拘束式から導出される項に対して,チェーンルールを適用することで,ジョイントに起因する項さえも歪変数で記述できるようにした.方法1はパーツ同士が閉ループを構成するような複雑な場合でも適用可能であることを示した.この提案手法をアメリカ航空宇宙学会AIAAで公表した. 【方法2:回転パラメータの導入によるジョイント拘束表現】 歪変数モデルは構造の一端から他端までの変形を漸化的に計算する.漸化計算でジョイント部に差し掛かった際に,回転を表す任意のパラメータ(相対回転角,クォータニオン,方向余弦から選択可能)を加えることで,解析性能を一切落とすことなく,歪モデルによる展開パーツ同士のジョイント拘束表現を可能にした.方法2は適用できる構造は限られるが,方法1よりも少ない変数でより安定した解析を可能にした. 上記の提案手法による解析を東北大学流体科学研究所の風洞装置を用いて実証した.
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