2020 Fiscal Year Research-status Report
炭素生成を伴う熱分解反応に対するTabulated Chemistryの提案
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20K22380
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松川 嘉也 東北大学, 工学研究科, 助教 (30882477)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | Tabulated Chemistry / CFD / 熱分解 / 炭素 / Database |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は気相中の分散粒子として炭素が生成するすす・カーボンブラック製造装置を適用対象としてTabulated Chemistryを適用し、適するControl Variableを明らかにした。 3つのControl Variableを考慮し、エンタルピーHおよび固体炭素生成量をControl Variableとし、残る1つのControl Variableは、主要生成物の中から1化学種を探索した。その結果、アセチレンあるいは多環芳香族炭化水素を残る一つのControl Variableとすることで、良好に生成量を予測しうることが明らかとなった。 また、並行してソフトウエアを開発を行った。Tabulated Chemistryあるいは詳細化学反応を考慮できるCFDのコードはn次元のデータベースを取り扱うことができ、ボトルネックとなるポアソン方程式の解法に藤井の開発したAlgebraic Multi-GridSolverを適用することで、計算時間を短縮・ロバスト性の向上が図られている。並列化が施されており、本コードを東北大学のスーパーコンピューターにて高い並列化効率・安定性で実行できるようチューニングを行った。また、詳細化学反応を考慮したシミュレーションによりエンタルピーHおよび固体炭素生成量、主要生成物濃度の3つのControl Variableからなる3次元以上のデータベースを構築できるように拡張するところにいくつかの技術的ハードルがあったが、これを解決できた。また、機械学習の援用によりデータベースを構築する手法についても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は気相中の分散粒子として炭素が生成するすす・カーボンブラック製造装置を適用対象としてTabulated Chemistryを適用し、適するControl Variable (CV)の検討およびソフトウエアを開発を行った。また、東北大学のスーパーコンピューターシステム更新に伴って、当初の予定になかったコンパイラ(gcc10やAOCC)への対応作業が必要となったが、無事対応することができ、高い並列化効率を達成できることを確認し、最適なライブラリの組み合わせを探索することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
選定した最適なCVを考慮し、まず栓流反応器(PFR)をモデル反応場としてデータベースを構築する。abulated Chemistryの精度を明らかにしたうえで、適宜モデル反応場を変更する。すすの生成を考慮するためには、すすの粒子成長を考慮した輸送方程式を連成する必要があり、そのコーディングが必要である。計算精度の観点からセクショナル法が望ましいと考えるが、計算コストが高く、計算が困難な場合には、計算コストを削減しても精度を担保できるMomentum セクショナル法を利用する予定である。
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Causes of Carryover |
世界的な半導体需要の増減に伴う価格上昇に伴い、当該年度で必要な物品の一部を購入できなかったためである。不足分については次年度分と合算して購入する。
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