2020 Fiscal Year Research-status Report
エタノール射出型ジェットピーニングによる高耐久性を発現する接着接合技術の開発
Project/Area Number |
20K22395
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荒川 仁太 広島大学, デジタルものづくり教育研究センター, 特任助教 (80882018)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 金属疲労 / 接着接合 / 表面処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,接着接合体の耐久性能を向上させることを目的として,被着材表面にエタノール射出型のジェットピーニングを施すこととした.これより,接着接合体の強度向上となる支配因子であるアンカー効果,濡れ性,水素結合の効果を増強させることが期待できる. これに対して,今年度は表面処理を施していない試験片を対象に接着接合体の耐久性能を把握した.また,実機では水劣化を生じることが想定されるので,水劣化の影響も併せて検討した.結果として,母材をSPCC材およびSUS材の両者において,耐久性能試験での破壊形態は接着層内部にき裂進展を呈する凝集破壊であった.また,水劣化を生じさせた試験片に関しては,SUS材においては水劣化無の試験片と比較して疲労強度に大きな差異はなかったが,一方でSPCC材においては水劣化によって大きく疲労強度が低下した.これは,SPCC材においては,水劣化によって接着層と母材の界面強度が低下したことに起因する界面破壊を呈したためである.これより,接着層と母材の界面強度を向上させるために表面処理を施すことは耐久性能を向上させるために重要であることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は接着接合体に対して,表面処理を施さない場合の疲労強度を実験的に取得することを目的として研究を進めてきた.また,1年目の後半から表面処理を施した試験体に対して疲労試験を実施する予定だったが,未処理材の試験において,接着層厚さの管理に時間を要したため,表面処理材に関しては実験を実施できていない.しかし,未処理材の疲労強度評価に関しては概ね確立したので上記区分の評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
表面処理材の疲労試験を本格的に進める.また,エタノール射出型ジェットピーニングの処理条件を決定する必要があるため,射出圧力などのパラメータを静的強度特性を参考に最も優れた静的強度を有する条件に決定する.加えて,処理材表面の定量評価として粗さ測定を実施する.これより,アンカー効果を定量的に評価する.
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