2023 Fiscal Year Annual Research Report
Verifying the flush regime of environmental DNA and developing monitoring methods for aquatic and terrestrial biotas
Project/Area Number |
20K22426
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 典子 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (50876464)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | 環境DNA / 水生昆虫 / 降雨出水 / 流域生態系 / 河畔域 / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度にETHZurichにて分析して得た塩基配列データを用いて解析を進めた。集水域の土地利用が森林のみである地点において断続的な小雨が見られた3日間を対象とし、採集したサンプルについて、電気電動率が顕著に低下した時点を降雨水の影響開始とした。また生活環のなかで水中生活を必須とする昆虫種を水生昆虫種、その他を陸生昆虫種として解析した結果、降雨影響開始1時間後に水生・陸生種ともに塩基配列多様性が最大となった。断続的な降雨下ではカゲロウ・カワゲラ・トビケラ目の検出種数は時間的な変化がなかった一方、ハエ目は緩やかに増加し、トンボ目は雨止み後に増加が確認される等、分類群ごとに検出特性が異なることが示唆された。ここまでの成果を国際学会にて発表した。より細かい時間間隔および異なる降雨特性における応答を検証するため、2023年6月末-7月初めに追加のサンプリングを実施した。また、サンプリング地点は降雨中の安全性・アクセス性を考慮し、集水域に農地・森林を含む中山間地域に変更した。期間中は3日間総雨量37.5 mmの降雨を対象とし、9時から17時の毎時間1回の頻度で、降雨前・中・後を含む3日間合計24回の採水を行った。その後、平時水量および電気電動度が上昇に転じるまで1日に1回の頻度で合計3回採水した。これらについての分析は完了したがデータ解析は未完了であるため、引き続き解析および論文での成果公開を行う。
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